◎他地域では食べない・食べられない料理
病棟で横になっていると、暇で暇で仕方が無い。
そこで、看護師に「あんたの故郷の名物料理は何?」「他の地域の人が知らない料理はあるのか?」と訊いている。
◆オヤジA(北海道出身)
「蟹の外子の醤油漬けですね。たぶん、地元以外では食べられないと思います」
蟹には外子と内子が出来るが、外子は茹でて食べてもあまり美味しくない。ところが、しょうゆ漬けにすると、蟹本来の味が引き立つそうだ。
当方は実家が商店だったので、卵が殻からはみ出した蟹を食べたことがあるが、身ほど美味しいものではない。
醤油漬けはご飯に載せて食べると美味しいそうだ。これは想像がつく。辛味付けにしたら、明太子より高級感があるのではないかと思う。
問題は新鮮な蟹が手に入るかどうか。
◆三十台青年(栃木出身)
「何と言っても『しもつかれ』ですね。どろどろの料理ですが、給食にも出ます」
「どろどろって、もんじゃ焼きみたいな?」
「そうです。焼きませんけど」
「それじゃあ、まるでゲ※みたいな感じ?」
「ええ。地元でも食べられない人が多いです」
ネットで引くと、「見た目がゲ※」で、「味もゲ※」と書いてあった。ゲゲ。
◆オヤジジイ患者(岩手出身:当方だが)
「俺の田舎じゃあ、『かっけ』だな。蕎麦と麦があって、粉を打つが、細く切らずに叩き伸ばして四角く切る。麵にする前の蕎麦、うどんを薄くした食い物だ」
二戸市周辺が発生地で、南限が当方の実家付近らしい。
十キロ先の旧盛岡市内でも、あまり食べられない模様。
食文化は滝沢市辺りに南北の境界線がある。
雉蕎麦、かしわ蕎麦を好んで食べるのも、そこから北。
(続く)
この「食い道楽」路線は割と面白い。
画像や動画を作れれば、ばえる(もう死語化してるらしい)と思う。
いずれも一度は食べてみるべきだが、「もんじゃ焼き」よりドロドロしたものは果たしてどうか。ううーん。