日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第118夜 首だけの霊

朝方、仮眠を取ったときに見た夢で、うなされて目が醒めました。

自分は20歳代で、木造アパートの2階に住んでいるようです。
部屋の中は散らかりたい放題で、本や服が散らばっています。
部屋の中央に寝そべり、考え事をしていると、目前の空中に白い煙のようなものが現れ、女の首から上の部分にパッと変わりました。
当然ですが、心臓が止まるかと思うほど、びっくりします。

女の顔が目の前にありますが、ホラー映画に出てくるようにおどろおどろしい表情をしているわけではなく、ただ悲しげに少し眉をひそめているだけです。
カヤコでもサダコでもありません。
まだ若いよね。27、28歳くらい?
もちろん、見たことのない顔です。

俺には関係ない女のようだな。
最初は凍りついたのですが、徐々に慣れてきて、観察を始めています。
3、4分くらいじっと留まっていたのですが、そのうちに白く光り出し、ひゅっと消えてしまいました。
「何で俺なんかのところに出たんだろ」
消えてからも、しばらく考えさせられてしまいます。

翌日は彼女とデート。
茶店で話をしていると、相手の女性の肩辺りにモヤモヤと煙が出てきます。
「ああ、やめてくれ!」
「え?何のこと」と女性が問い掛けます。
だめだ。今、お前の肩のところに女の顔が・・・とは言えません。
女の首は、やはり何を表すでもなく、ただ悲しげな表情で眼を閉じていました。
「今日はもう帰ろうか」
「え、何?どういうこと?」
彼女は不審げな目で俺に問い掛けるけれど、もちろん答えることはできません。

数日すると、首が現れる頻度が高まり、日に3度、4度になってきました。
電車に乗っている時に空中に浮かんでいたり、外食時にテーブルの上に頭が載っていたりするようになりました。
気色悪く感じはしますが、次第に慣れてきて、出る度に手で追い払うようになりました。
手をパタパタ振ると、煙を払った時のように雲散します。

何か訴えたいことがあるから出てくるのだろうか。
しかし、何も思い当たるふしは無いし、向こうも何も言いません。
次第に首が出そうになると、形を現す前に手で払うようになっていました。
傍から見ると、しきりに周囲を手で払う変な奴だと思われていることでしょう。
追い払うのに慣れてくると、あまり気にもならなくなってきます。

翌日。
所用で外へ出て、道を歩いています。
住宅街に入り、路地を曲がると、そこには既に女の首が待っていました。
でっかい!
6弾始を塞ぐくらいの大きさです。さすがに腰を抜かします。
「いい加減にしろ!」
両手両足を使い、その大きな首を振り払おうとしました。
やはり、払いのけると煙をかき分けるように、消えてなくなる・・・はずでした。
大きな首は煙のように散らばったのですが、よく見ると、散らばったひとつ1つが粒のような丸い塊になっています。
「なにこれ?」
眼を凝らして見ると、その煙の粒が1つずつ、女の首になっていました。
うへえ。
何か、このしつこさにはゲンナリすると言うか、あきれ果てるというか。

ここで覚醒。
オバケの夢ですが、怖いというわけではなく、「いい加減にしてくれ」という気持ちでうなされていました。