日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

さらにTPPの話

TPP関連の続きです。
 
日本と大して状況は変わらないであろう韓国が、いち早く参加を決めているのには、少し疑問を持ちます。
ニュース報道では、今ひとつ実感としてわかりません。
 
そこで日本にいる韓国人留学生に、「TPPへの参加をどう考えるか。また、国がすぐに参加を決めたのは何故だと思うか」を尋ねてみました。
すると、その学生は、「韓国では食料自給率は既に20%台なので、安い農産物が入って来ようが来まいが、状況は変わらない。今後も貿易で経済を成り立たせていかねばならないのだから、仕方が無い」と答えます。
きちんと周囲のことに関心を払い、学んでいる学生なので、率直な意見であるし、同じように考えている人が多数いるだろうと感じます。
 
日韓や台湾との間にも、自由貿易交渉など存在していないのに、環太平洋規模で自由化することになれば、経済はかなり混乱することになるだろうと思われます。
それでも、確実に得をするのは、資源国であるアメリカ、オーストラリアなど。
米豪が自由貿易を推進しようとする意味は、単に自国経済への利益追求だけです。
 
なし崩し、もしくは慌てて、参加する必要性も無ければ、意義も小さいように考えます。
「自国内の体制が整った段階で、参加が可能であればする」と言えば良いのです。
無防備に自由化すれば、ごく一部の商品作物を作る農家事業体を除き、大半の農家は農業をやめてしまうことでしょう。
 
その反面、輸出にあたり本来掛かっていた筈の関税が無くなるため、輸出産業には多大なメリットが生じます。
ならば、本来掛かっていた筈の関税分の金額を、「そのまま丸ごと農業分野に回す」くらいの発想で対処するくらいで公平と言えるのではないでしょうか。