日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第385夜 ショッピングセンター

朝、子どもたちを送り出した後、少し横になりました。
その時に観た夢です。

目を開くと、どこかショーウインドウの前で立っていた。
灯りが点いているが、人の姿は無い。
視線を横に向けると、長い通路が続いている。左右両側に商店が並んでいる。
アーケードなのかな。

道に沿って歩いてみる。
どの店にも灯りが点いているが、やはり人影は無い。
「客はともかく、店員までいない。皆、どこに行ったんだろ」
耳を澄ませてみると、遠くの方で何やら声がしていた。

「ここにいた人たちが外に出て行ったんだな。大慌ててどこに行ったんだろ」
ひと回り歩いて、様子を見ることにした。
すると、ここは商店街は商店街でも、大きなショッピングモールのよう。
たぶん、郊外型のショッピングセンターの中だ。
俺は何か用事があって、ここに来たはずなのに、それが何だったかを思い出せない。

歩いていると、頭がズキズキと痛んでくる。
「何だろ?」
手を頭に当ててみたら、額の上の方に傷が出来ていた。
「イテテテ」
手にはべっとりと血が付着していた。
なるほど。頭を強く打ったので、俺は直前の記憶を失くしたのだ。
自動販売機があったので、そこで冷えた感ジュースを買い、頭に当てた。

さらに歩いて行くと、銃砲店の前に出た。
「あ。ここだ」
俺の用事は、ここで武器を買うことだった。
「しかし、何でだろ」
ま、いいか。

銃砲店の中に入る。
やはり誰もいない。
誰もいないが、武器は貰って行かねば。
「申し訳ないけど、人がいないなら、黙って持って行きますよ」
今は緊急時だから仕方ないよな。
「でもその緊急の事態って、一体何だろ?」

とにかく俺は、その店で鹿を打つライフルと銃弾とをバッグに入れた。
拳銃もあれば良いんだけど、この国では狩猟用以外の武器は売っていない。
ダイナマイトとかもあればなあ。

銃砲店を出ると、どこか遠くの方から、地鳴りのような響きが聞こえて来る。
今度は遠ざかるのではなく、ここに向かって来ているようだ。
しかし、ショッピングセンターの中でにいては外の状況が分からない。
「じゃあ、屋上に行ってみっか」
屋上の駐車場に行けば、外もよく見えるだろ。

俺はエレベーターで屋上に向かった。
扉が開いた瞬間に、沢山の人々の歓声が聞こえる。
歓声と言うか、喚き声だった。
「ずいぶん沢山の人が出てるようだ」
早足で、屋上の縁に向かう。
声は下から聞こえて来る。

屋上の一角から、下を見降ろすと、喚き声の主たちが見えた。
何万人もの群衆だ。
「おい。何だよこれは」
よく見ると、ひとり1人は、とても口では言い表せないようなおどろおどろしい姿をしている。
「何だよ。こいつらは」
何せ場所がショッピングセンターだし、もしかしてゾンビ?

駐車場が化け物のような奴らで埋まっている。
なるほど。こいつらが来ることが分かったので、ここにいた人たちは大急ぎで逃げたのだ。
きっと俺も逃げようとしたのだが、転ぶか何かして頭を打ったというわけだ。
「あいつらに襲われたのならアウトだよな。こんなライフルくらいじゃあ、何の役にも立たない」
何せ、何万と言う数だ。

群衆のはるか向こうの方に、何かが光って見えている。
「あれは何だろ?」
目の上に手をかざして、その光を見極める。
それは、馬に跨った人間だった。
「いや。人間とは言えないよな」
そいつは明らかに、この群衆を指揮していた。

こいつが誰であれ、地獄の蓋を開き、亡者たちを外に出したのはこいつだろ。
「死」だったか、「戦争」だったか。
そんなことはどうでもよい。
確実なのは、黙示録が本物の予言だってことだ。
今これから、人類は終焉を迎えようとしているのだ。

ここで覚醒。