日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎今日の耳学問 心臓病

◎今日の耳学問 心臓病
 病院の食堂で、隣の席の人たちが話しているのを耳にしました。
 ま、知らない人というわけではないので、聞いた内容を記します。
 女性(外見は65歳くらいだが50台らしい)は、最近、心筋梗塞になり、かろうじて命は助かったとのこと。

 その女性は親族の中で心臓病で死んだ人が1人もいないので、まったく心配していなかった。
 身内は脳梗塞など、脳血管系の病気で亡くなっている。
 それが、健診を受けたら、医師が即座に再検査に回し、その結果、「冠状動脈の9割くらいが塞がっている」とのことで、その日のうちに入院し、カテーテル治療を受けた。
 自覚症状は殆ど無く、「多少息切れがする」程度だった。

 そこまで塞がったのは、その1日内のこと。
 通常、心臓の血管が詰まり、血が行き渡らなくなると、心筋は6時間で壊死する。
 何とか間に合い、死は免れた。

 ここで私は、「ああ。それって俺のことだな」と思いました。私が発症した時には、夜半に「何だかやたら肺の調子が悪い」ことに気付き、救急病院に行ったのですが、呼吸器の専門医が来るのが朝だということで、そのまま待合室で待ちました。
 ちなみに、肺の症状は肺水腫で、心臓が悪くなった時に併発します。
 それで4、5時間経ってしまい、心筋の半分以上が壊死してしまったのです。

 女性は「全然、自覚症状がなかったのに、危うく死ぬところだった」と言っていました。
 「症状がない」ので、よほど気をつけていないと分からないわけですが、親族に罹病歴のある人がいれば、あれこれ教えてくれます。ところが、まったく居ないので知らなかった。
 まあ、大体、次のような経過を辿ります。

Aブロック
・混雑した電車に乗った時に、息苦しさを感じる。
・階段を上るのがキツくなる。足が重くて一気に上れない。
 →もはや病気で、かなり進行しています。
・血圧が180超に上がることがある(さしたる理由無く)。

Bブロック
・寝苦しいことがある。
・脂汗を掻くことがある。
・鳩尾が重くなる。 (毎回5分程度で治る。)

Cブロック
・肩や脇の下、首が重くなる。  →もうアウト寸前です。
・胸が重苦しくなり、動けなくなる。
 ここで完全にアウト。この状態からは30分~1時間しか持ちません。苦しくなってから救急車に乗っても、大体はあの世行きです。

 Bまでは、症状はすぐに治まるので、医師の診察を受けても分からなかったりします。
 そこが怖いところ。
 「医師から何でもない。経過を観察しましょう」と言われることで、「自分は大丈夫なんだ」と思い込んでしまいます。これが決定的な誤り。、
 鳩尾が重くなっても5~10分で治まるので、「治った」と思いがちですが、心臓が自然治癒することは一切ありません。

 心筋がひと度壊死すると、もはや良くなることはなく、以後は「走れない」「起きられない」状態になります。
 私の心筋が生きているのは、たぶん30%台ですが、「百メートル走る」なんて夢のまた夢です。

 50台からは、「ある日突然亡くなる」人の数がやたら増えます。ここからは情報戦で、自覚症状のない段階から、「敵」を認識する必要があります。
 ま、親や兄弟姉妹が倒れていないと、それが自分に起きるものだとは考えません。
 そこが本当に難しいところです。