◎TVドラマ『ウエストワールド』を観て
どうやらシーズン2で実質的に終了した模様。
オヤジ世代は、「ウエストワールド」と聞けば、ぱっとユル・ブリンナーの顔が思い浮かびます。
エド・ハリスはきっちりブリンナーの雰囲気を漂わせているし、なかなか良いんじゃない?
ところが、ドキドキするのもシーズン1の3回目まで。
その後はテレビドラマにありがちの「受けること」「続けること」がテーマになって行きます。
シーズン2に至っては、自らの記憶を解体したバーナードという役中人物の意識に従って描くので、時制が滅茶苦茶になってます。
ドラマで「やっては行けないこと」のひとつは、この「時制を交えて描くこと」。
謎っぽく進めるために、そうしたくなるのですが、成功するケースは少ない。
「物事が起きた順番に描く」のがセオリーですよ。
これを無視すると、このドラマみたいに、独りよがりになってしまいます。
観念的な内容だし、まるで「アーサー・C・クラークを腐らせた」ような展開になってしまった。
よく練れても居ないようで、登場人物のひとつ一つのセリフにも、「え。辻褄が合わねえぞ」と思ってしまいました。
売れっ子作家を起用すると、製作側の意向を極力反映させようとするきらいがあり、こうなってしまいます。コンセプトも何もありません。そう見せようとしているだけ。
視聴率がソコソこ取れるうちは続けるのだろうけど、シーズン2では『ロスト』の後半を観てるよう。残念。
でも、つい先ほど検索したら、シーズン3があるらしい。
あーあ。コテコテの観念論は、もはやお腹一杯だぜ。
ドラマの発端で「覚醒するアンドロイド」の一人になったドロレス(役名)が人間社会で戦う話にするなら、シーズン2をすっ飛ばして、そう行けよな。
それに、あの真田広之と菊地凜子(いかにもコテコテだ)を起用したエピソードは何だったの?
結局、使えなくて、エピソード2つ3つでお払い箱かよ。
結局、結論は「昔は良かったなあ」です。
最初の映画『ロストワールド』でも観て、気分を直さねば。