日刊早坂ノボル新聞

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北の湖理事長の真意

 琴欧州が優勝した当日、北の湖理事長は、「(琴欧州が)2場所連続優勝をしてもそれはあくまで内規。相撲の内容による。全勝するくらいの勢いでなくては」と発言しました。
 言葉に矛盾があり、内規であるなら、「2場所連続優勝かそれに準ずる成績なら協会としては横綱に推挙するが、決定は審議委員会の承認を経てから」が妥当です。

 しかし、よく考えてみると、理事長の真意は別のところにありそう。
「優勝すれば、あるいはそれに準じる成績なら、という意識ではなく、全勝優勝するつもりでやってくれ」ということですね。
 まったく優勝せずに横綱になった双羽黒という力士もいたことですしね。

 北の湖理事長は、現役時代は信じられないくらい強く、21歳くらいで横綱になった人です。
 全盛時には、全勝優勝か1敗が当たり前で、あまりにも負けないので、今の朝青龍をはるかに上回る大ヒールでした。相撲も3秒くらいで、あっさり寄りきり。
 私も相撲で県大会に出たことがありますが、相撲では寄りきりが「真の強さの証明」だと思います。
 しかし、北の湖関は強いだけでなく、口を開くと理路整然としており、それまでの「ゼイゼイ」と息を発するばかりで何も言わないという相撲取りイメージを一変させた人でもあります。

 琴欧州は今や大ベビーフェースです。
 ブーたれる朝青龍を東の正横綱琴欧州がねじ伏せる姿は、国民が今一番望むところではないでしょうか。
 それを知っていて、あえて「内容が大事」と言う所は、真の強さを追求した北の湖ならでは、ということなのだろうと思います。

 個人的には、ヒールの方が好きなので、朝青龍も大好きです。
「日本人なんて大したことはない」、「悔しかったら、俺に勝ってみろ」、「(審議委員に)俺が嫌いなら土俵に上がってみろ。このブス」と言って欲しい。
 ヒールに品格を求めるほうがセンスが悪い。
 相撲人気を復活させるには、やたら強い悪役と、完全なるベビーフェースの対決図式を前面に押し出すのが、一番分かりやすいように思います。

 でも相撲は格闘技でもスポーツでもなく、あくまで神事なのですけどね。