日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

「アリエネーと言わないで」

週末の夜に、居間に降りたら、娘がテレビドラマを見ていました。
なにやら侍が出ています。
親子対話のきっかけになりそう。
 
娘の隣に座り、少々、一緒に眺め始めました。
戦国時代に、料理人がタイムスリップして・・・てな話のようです。
主人公に心を傾ける「くのいち」が現れて・・・のところで、思わずひと言。
「アリエネー。昼日中に、こんな忍者装束を来た女が外を歩いている。目立ってしょうがないだろ」
時代考証だって、かなりいい加減だな。
 
すると、すぐに娘にたしなめられました。
「オトーサン。こういうのは、そんな目で見るとダメだよ。ただドラマを楽しめばいいんだよ」
だいたい、タイムスリップだって、「本来アリエネーことなんだから」。
そりゃそうですね。
「この時代に、砂糖はなかなか手に入らない」とか、考えてはダメです。
(ひとまず、干し柿の白粉を代理品として使ったと解釈すること。)
 
そう言えば、かつて私も、歴史小説について次のようにコメントしていました。
歴史小説の目的は、その時代に何があったかを議論することではない。人の見る事実と言うのは、見方によってかなり違うので、異説異論は常にある。どれが正しいかを論じるのは歴史家の仕事で、小説はその時の人々の心情を汲み取るものだ」
織田信長が、「今日はラッキー」と言ったりすれば、さすがにアリエネーですが、「ツイテネー」くらいには目くじらを立てる必要はないでしょう。
(「ついてない」は、確か江戸後期からの言い回しでした。)
 
もちろん、きちんと調べ、あえて知ったうえでウソ(?)を書く心構えは当然だろうとは思います。