日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第264夜 大火球

夕食後に、自分で気づかぬうちに寝入っていました。その時に観た短い夢です。

目が開くと、どこかホテルのロビーにいる。
「ああ。ここはよく夢に出て来る巨大なホテルだ」
ということは、今は夢の中なんだな。
20世紀の半ば頃に出来たこのホテルは、外観こそ古めかしいが、中はきちんと改装が施されており、清潔に保たれている。

ロビー全体に目を配ると、広いフロアに人はまばら。
もはや夜なので、出入りが少なくなっているのだ。

ロビーの脇に、宴会用の部屋がある。
大きな会場と、小さな会場が幾つかあったはずだな。
すると、小さな会場のドアが開き、中が少し見えた。
30人くらいで小さなパーティをやっていた。
何のパーティだろ?

入り口の看板を読むと、「○○高校▲▲年卒同窓会」と書いてあった。
○○高校?
▲▲年卒と言えば・・・。
まだ生き残りがいたのか。

その卒業年の前の年、学校で大爆発が起きて、生徒の大半は死んだはずだ。
構内にいた6百人くらいの生徒や教員が全滅だ。
あの惨劇を生き残った、しぶとい奴らがいたのか。

当時は「ガス漏れ」ということになったが、あれはオレのせいだ。
オレは地獄の釜の蓋を開き、亡者の怨念で生まれた大火球を放った。
その大火球に直撃され、その高校は壊滅したのだ。
なぜそんなことが出来るかって?
それは、もちろん、オレが悪魔だからだよ。

その高校に大火球を落としたのは、ただそこにその高校があったからだ。
オレが前を通り過ぎようとすると、中から楽しそうな声が聞こえた。
その声があまりに朗らかだったから、運命の理不尽さを教えてやったのだ。

生き残りがこんな所にいたとはな。
上手い具合に集まってくれている。
そうでなければ、見逃してやったのに、もはやそうはいかない。

もうじき、この建物の上空を軍用機が通る。
ちょうどよい。
また地獄の蓋を開いて、大火球を飛ばしてやろう。
明日のニュースが楽しみだな。
「軍用機 ホテルに墜落」「客は全員死亡」ってとこだ。

オレが念を込めると、ロビーのフロアがぱっくりと口を開いた。

ここで覚醒。

夢の中の自分は悪意の塊で、戦争を起こす画策をしにこのホテルにやって来たのでした。
大火球は、あの世に行けない霊魂の塊で、オレンジ色の光を放射していました。
もうすぐ、この世に放たれる見込みです。