日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

幸せはどこに?

家人の同僚の話です。

その女性は40歳台。仮にR子さんとします。
夫はいるが子はいません。
その唯一の家族である夫は、かなりの遊び人でした。

人生の柱を「遊ぶこと」に置いており、仕事はおざなり。
当然、50歳になってもヒラのままです。
1年中、どこかに出かけては遊びまわっているので、やはり貯金も家もなし。
時々、浮気をしている気配もあります。
これはかなり昔から。

「こんなダンナとは別れよう」
そう思い立ったのは40歳を過ぎてからで、少し遅かった。
「今さら面倒だし、定年になったところで、ダンナとは別れて自由に暮らそう」
R子さんはそう思い立ちました。
自分は公務員だし、定年まで務め上げればそれなりの年金だって貰えます。

R子さんはこう計画し、マンションを買うことにしました。
もちろん、独り暮らしが前提なので、1LDKでOK。
医療型はもちろん、年金型保険にも入りました。
生活を切り詰め、貯金もコツコツと積み上げます。
共働きで、生活費は割り勘にしていたので、これが出来たのです。

それから何年かが経ち、R子さんは病気になりました。
まだ40台半ばなのに、既に末期がんでした。
治療の甲斐も無く、半年ほどで、R子さんは亡くなります。

R子さんがきちきちと切り詰め、一生懸命貯めたお金や、マンション。生命保険は総てダンナさんのものになりました。
ダンナさんは資金面での不安が無くなり、いっそう、人生を楽しんで暮らしているとのこと。
ストレスの無い生活を送ってきたせいか、ダンナさんの方は健康そのものです。
きっと長く生きられることでしょう。

なんだか、「アリとキリギリス」の話を思い出してしまいます。
アリは冬に備えて、働きづめに働きます。
キリギリスは夏の間を歌って暮らします。
しかし、アリは過労のため死んでしまい、キリギリスがアリの貯めた食料を使いましたとさ。

ちなみに、キリギリスは越冬しませんので、元の話自体がデタラメです。
キリギリスの寿命は2か月で、その間に子孫を作らねばならないので、伴侶を求めて声を限りに叫んでいるのです。
遊んでいるわけではありませんよ。