日刊早坂ノボル新聞

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◎「見てくれ」だけの話

◎「見てくれ」だけの話

 「十八歳以下に一律十万円給付」だと。 

 コロナの影響で顕著だったことのひとつは、経済被害が職種・職層によって違ったことだ。

 影響が大きく、それまでの仕事を失った人もいれば、ほとんど影響のない人もいる。

 「子どもに一律」と言えば、まるで「公平な判断」のような錯覚を覚えるが、実際には、広がった格差をさらに広げる結果になりかねない。

 困窮家庭では、そのお金を生活費に充当し子どもには行かない。

 影響が無かった家庭では、さらなる「お小遣い」になる。そもそも影響が少ないのだから、給付金など与える必要がない。

 ちょっとは考えろよな。

 

 さて、河野太郎氏が「消費税を財源として年金に充当すべき」と言ったのは、総裁選で逆風になったが、氏の説とは別に、年金と消費税を突き合わせると面白い知見が得られる。

 消費税収が60.8兆円(R2)あるのに対し、年金総支給額が52.6兆円(保険料収入は38.4兆円/H30)規模となっている。

 ということは、現状の法制度のままでも、「消費税収入だけで年金を賄える」ことになる。

 河野氏は年金維持のために「消費税を上乗せする」という流れだったように思うが(不確か)、消費税を完全に「目的税」にして「年金に充当する」と定めれば、破綻しないことになる。

 年齢構造により授受給額が変動するが、増額分は税率をスライドさせればよい。

 厚生年金の個人積み立て分を別括りにして、基礎年金に限定すれば、北欧に匹敵する生活保障体制が組み立てられる。


 元々、消費税の増率は「高齢化により保健・福祉などの負担が増えたため」とされたが、実際は大半を別のことに使っている。

 年金を独立会計にし、消費税で充当すれば、基礎年金部分の保険料を限りなく減額でき、若年層の保険料負担を軽くできる。

 税収入の残りは生活保障や保健行政で使う。

 

 他の管轄の財源にしわ寄せが当然行くが、そこは別の枠で所得税なり法人税で賄うことになる。

 現状では、税収のトップが消費税で、これはすなわち「低所得者の方が負担率が大きい」ことを意味する。

 ある意味、今が「金持ち優遇」の体制なのは事実だ。

 

 以上はかなり乱暴な話なのだが、考える余地はあると思う。

 消費税の「総てが年金や生活保障に充てられる」なら、15%、20%でも、割合受け止められると思う。

 総てが自分たちに返って来るお金だからだ。

 

 もちろん、インフラ等への投資は減る。北欧みたいに道路や橋、建物(公共)を長く使うことになるから、街は古びたものになる。

 だが、「老後の生活のためには三千万必要」などという言葉につられて、貯金の大半を失うような生活不安は解消される。