日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

(日高・飯能) オヤジが猫に手玉に取られる (127日目)

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体調が悪く、毎日が寝たり起きたりの生活になっています。
そうなると、次第に腐って来るのが精神状態です。
ささいなことで腹を立て、その怒りが溜まってどうにも我慢できない状態に達しました。
「こりゃいかん。もうじきテロリストだ」
そこで、気力を振り絞って、猫ちゃんに会いに行くことにしました。

外出すると、脇の下やら胸がズキズキ痛みます。
「薬を持って来てないな」
ま、いっか。
目覚めた時には、いつも「今日が最後の日でも納得かもな」と独り言を言ってます。
神社に参拝に行く途中なら、神さまもそうそう地獄には落とさんでしょ。

高麗神社の駐車場に入ると、眼に入ったのは、通称エロオヤジのほう。
横目でにらんで通り過ぎます。

鳥居を潜ると、すぐ前にある樹の下にトラちゃんがいました。
「おお。元気だったか」
間隔が空いたので、トラちゃんは一瞬、「誰?」という表情をします。
「こっちにおいで」
長椅子の方に呼び寄せて、おやつを与えました。

トラちゃんはあんまり腹が減っていなかった模様で、少し残しました。
「じゃあ、今日はオレは買い物があるから、先に行くよ」
我ながら、完全に人に対する時の口調になってます。

手水場から神殿の方に歩き出すと、後ろからトラちゃんもついて来ました。
また一緒に行ってくれるらしい。
しかし、今日は神殿の近くには参拝客が立っていました。
トラちゃんは階段下で立ち止まり、私が戻って来るのを待っています。

いつものコースは、中庭の桜の樹の横を通り、庭の隅の長椅子に少し座ってから、神社を出るというものです。
私はいつも通り、長椅子に向かったのですが、トラちゃんが神殿の前で立ち止まったままです。
「今日はこのまま帰るのかな」
しかし、椅子に座っていると、トラちゃんがこっちに歩いて来るのが見えました。
また膝の上に乗るのかな。

ところが、トラちゃんは私の手前7、8辰里箸海蹐濃澆泙蝓∋笋鮓ています。
視線は私に向いていますが、近くに来ないのです。
すぐにピピンと来ました。
「コイツ。まるでアンタの方が私の方に来るのよ、と言ってるみたいだな」
何故なら、主人は自分(トラちゃん)の方で、このオヤジではない。
「私のことが気に入っているのなら、こっちに来るのよ」
そういう声が聞こえます。

おいおい。人間と勝負するつもりなのかよ。
根負けした方が、相手に向かって近寄って行く、という我慢比べです。
そのまま、双方が顔を見詰め合ったまま、その場にじっとします。
5分、10分、15分と、双方向き合ったままです。

先に降参したのは、結局、私でした。
「いや。もう参りました。オレの負けだよ。オレの方がそっちに行きます」
いい歳こいたオヤジジイは、あっさり15分で陥落して、トラちゃんのところに行きました。
「当然だわね」(頭の中に響く、トラちゃんの声です。もちろん、妄想。)
トラちゃんは、私が1辰泙廼甦鵑襪函当たり前のように腹を向けて寝そべりました。
「撫でろ」と言っているのです。
いやはや。猫を飼っている人はいずれも「猫のほうがご主人様」と言うけれど、これは事実です。

トラちゃんの体を撫でると、冬毛が生え変わる時期らしく、毛が大量に抜けました。
「これじゃあ、撫でて欲しくて堪らなかったろうに」
それでも、人間のオヤジに勝負を挑むのかよ。
動物の毛のアレルギーを持つオヤジのほうは、たぶん、夜中は悲惨なことになるだろうと思います。

「少し離れたところで、じっと見ている」は人間でも通用しそうです。
「普段はほどほどの所で止まって置き、ここぞという時だけ一瞬、胸に飛び込む」ってのが、女性の高等テクニックなのでしょう。
手に入りそうで入らないが、きちんと自分のほうを見ている女性なら、男性はきっと宝物のように扱ってくれるでしょう。