◎ 夢の話 第438夜 ダイナーで
夜半に居間で座ったら少々居眠りをしました。これはその時の夢です。
瞼を開くと、食堂の中だった。
昔の客車1両分のスペースに、カウンターとテーブルが1列。
「これって、映画でよく見るダイナーってヤツだな」
周囲には客はいない。
時計を見ると、夜中の1時を過ぎている。
「この辺じゃあ、夜中に食事が出来るのはここしかない。腹が減ってここに来たのか」
窓の外を見ると、周囲に家は無く、道が1本あるだけだ。
すると突然、ざあざあと雨が降って来る。
厨房の方からウエイトレスが走り出てきた。
「嫌だ。雨じゃないの。今日は自転車で来たのに」
中肉中背でショートカットの髪。小ざっぱりとした顔つきをしている。
「美人ではないが、逆にそこが良いところ」
シンプルなのがオレの好みだ。
他に客はいない。
厨房の奥にこの店の主人がいて、ウエイトレス1人と客がオレ1人。
まあ、真夜中だからな。
ウエイトレスが近寄って来る。
「あのう」
オレは顔を上げて、彼女の目を見る。
「わたし。車を修理に出したので、今日は自転車なんです。だからこの雨じゃ帰れないの。もし良かったら、お客さんが帰る時に私も一緒に乗せて貰えませんか」
確かに、この雨じゃ大変だ。
「いいよ。どこまで行くの?」
「あなたの家の少し先だけど、あなたのモーテルの手前で良いです。そこから歩いて行きます」
「家の前まで送ってあげるよ。ご近所なんだし」
「本当?良かった。助かります。でも・・・」
「でも」。「でも」って何?
オレの視線に、ウエイトレスは申し訳なさそうに言った。
「でも、私のことは殺さないでね。ベイツさん」
ここで覚醒。
夢の中で、当方はノーマン・ベイツでした。
ダイナーが出て来るのは『サイコ2』の設定ですね。