夢の話 第546夜 停留所
18日の午後11時頃に観たホラー夢です。
我に返ると、「オレ」はバスに乗っていた。
夢の中の「オレ」は自意識だけで、どこの誰かは分からない。
何となく、「今から打ち合わせに行くのだな」と考える。
岬を回った向こう側が会議場所で、そこまで1時間近くバスに乗る必要があったのだ。
今やちょっと地方に出ると、どこもかしこも過疎地だから、乗客はほとんどいない。
途中で一人二人降りたら、もはやこのバスに乗っているのはオレ独りだった。
オレは運転手の真後ろの席に座っている。
「次は※□▲」とアナウンスが入った。
すると、後ろの方で「ピン・ポーン」とチャイムが鳴る。
「え?」
オレは思わず後ろを振り返った。
客が誰も居ないのに、何で「次停止チャイム」が鳴るわけなの?
すると、運転手がオレに話し掛けて来た。
「お客さん。次のバス停で停まるけれど、目を瞑っていた方がいいよ。何も見ないでね」
う。嫌な感じだ。
考える間もなく、バスが停留所で停止した。
運転手がマイクで「※□▲です」と告げる。
オレは下を向き、目を瞑って眠っているふりをした。
(小説なんかだと、ここでつい見てしまう。すると、そいつが・・・てな感じの展開になるんだけどな。)
だが、オレはそんなことをせず、目を閉じたままじっと固まった。
車両の後ろの方から人の気配が近付いて来て、運賃箱が「チャリン」と音を立てた。
ステップを誰かが降りる気配がある。ここは確信だ。
すると、その開いたドアから声が響いた。
「あ・り・が・と・う」
ドアがシャアッと閉まり、バスが動き始める。
しばらくの間、オレも運転手も何も言わず黙ったままだ。
あの停留所から2キロ近く離れた後で、ようやく運転手が口を開いた。
「あそこ。たまに出るんですよ。あれが」
「いつもああなの?」
「ごくたまに、です」
オレの膝は恐怖でわなわなと震えたままだ。
「あの声。あの心の無い声は、とても生きた人間の声じゃないよな」
「そうです」
「運転手さんはあの瞬間はどうしてるの?やっぱり見ないように目を瞑ってるの?」
運転手がちらっと後ろを向く。
「見ないようにしてますね。大体は外の方に顔を向けています。とにかく関わらないのが一番ですから」
好奇心を持ったり、恐怖心を抱いたりすると、そこに接点が生まれてしまう。そうすると、そこからこっち側に乗り移って来ることがあるのだ。
「あの声は女だけど、そこから先は知りたくないな」
「話は色々ありますね。どういう服を着ていた、とか。どんな素性らしい、とか。でも、どれもこれも後から取ってつけたような怪談話でして」
「赤い服を着ているが、それは洋服の色ではなく血の色だ。何て話だね。都市伝説だ」
「そうです。人は自分が分かりよい因果を付けるものですからね。そうしないと平常ではいられない」
「でも、そうじゃないよね。人が頭で考えたものとは違う」
「お客さん。よく分かってるね。さては、あちこちで同じような目に遭ってるんだね」
その通りだ。オレは行く先々でこの手のことに出会う。
ホラー小説や映画なら、オレは帰路、タクシーで帰る。
「ところが、そこでも・・・」という展開だ。
「でも、そんな展開にはしないよ。もはやそんなのはウンザリだもの」
ここで覚醒。
20日から東北地方を回るのですが、少しビビッているようです。
旅先ではたまに説明の出来ない現象に会いますので、気持ちが引いているのです。
夢の話 第547夜 電話2
寝直して、再び眠りに落ちた時に見た夢です。
居間で寝ていると、「プッ」と小さな音がする。
目を開くと、すぐ手前に受話器が落ちていて、ディスプレイが点いていた。
誰かが電話を掛けたが、ベルが鳴る前に切ったのだ。
「あ。回線の調査か」
時計を見ると、夜中の1時半だった。
「またこの時間か」
間髪を入れずに、玄関の扉が「コツコツ」と音を立てた。
ここで覚醒。
先日の「時間切れです」の夢の続きだった模様です。
こういう感じの時は、誰かが当方のことを考え、「連絡を取りたいと思っている」ことが多いです。生きた人かそうでないものか、あるいは自身の潜在意識なのかはよく分かりません。まあ、多くの場合は生きている人で、実際に数日中に連絡があります。