日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

(北斗英雄伝)まずは赤虎から再起

病気のため、2か月以上も寝たり起きたりでした。
起きて活動しようとすると、すぐに胸が苦しくなるので、横にならざるを得ません。
机に座るのも1時間が限界で、右足がパンパンに腫れ、気分が悪くなってしまいます。
心臓のポンプ機能が著しく低下しているわけです。
 
日に1時間の作業なので、やれることはたかが知れています。
根を詰めて、キーを打つことが出来ないので、執筆もゆっくりです。
このため、リハビリ的な作業として、気軽に書ける物語から始めることにしました。
そうなると、赤虎シリーズですね。
普段なら1週間程度で書けるボリュームなのですが、今回は1か月以上もかかり、数日前に、ようやく1話を書き終わりました。
 
赤虎シリーズは、「無情の雨」を中心とする3作を既に執筆済みです。赤虎が七海母子と出会い、安寧を得るまでの3部目のドラマは、終わっています。第3部は、赤虎3部作の最終章で、プロローグが「峡谷の怪物」、本編が「無情の雨」、エピローグが「雪の降る朝に」となっています。時間軸の上では、赤虎が40台後半から死ぬまでの話です。
 
当初の構想では、赤虎が30代の時(第1部)、40歳前後の時(第2部)のエピソードを加え、3部構成にしようと思っていました。
人生の紆余曲折を経て、赤虎はただの盗賊ではなくなって行きますが、この赤虎にまつわる最初の怪異譚が、今回の第1部「島の女」です。
原典は今昔物語で、巻第31第12「鎮西の人、度羅の島に至りし語」など、複数の説話を翻案したものです。
赤虎シリーズは、すべて今昔物語や宇治拾遺物語のム-ドを反映させる意図をもって書いており、いずれも説話風の副題を付けています。
今回も正式な題名は、「島の女─盗賊の赤虎が平泉で鬼女と戦う話─」となります。
概ね160枚くらいの分量ですので、新聞連載では60回前後だろうと思います。
 
赤虎は「北斗英雄伝」で生まれたキャラですが、個性が際立っており、スピンオフに留まらない物語になってきました。
この「島の女」では、結末で赤虎は鬼女1人との間に子が出来る設定となっています。
妊娠初期ですので、この先どうなるかはわからないのですが、先ほど、夢の中に、この子どもが現れました。
「俺の名は、鬼呑童子だ」とのこと。もちろん、「酒呑童子」のもじりで、鬼の仲間だということです。
赤虎シリーズの最終作(第2部)は、大湯四郎左衛門の猿退治に赤虎が「心ならずも参加する」というエピソードになります。
冒頭では、浮浪児とのやりとりがありますが、なるほど、それが自分の子だったなら、敵に捉えられたその子を救いに行く、はっきりとした動機付けになりそうです。
 
体調と相談しながら、「北斗英雄伝」の2巻目の処理が終わった後で、赤虎の最終話を書くことになります。
書籍の編集と校正は労力が必要ですので、前回のようなことにならないよう、ゆっくり進めるつもりです。