日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎七月の品評 (その5)

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◎七月の品評 (その5)

S21 盛岡藩 井筒屋権右衛門 三種組

 井筒屋は盛岡の豪商の一。

 『南部貨幣史』等に記載があるので、説明不要と思う。

 

S22 鍵屋茂兵衛

 鍵屋茂兵衛も豪商の一人で、尾去沢鉱山を所有していた。

 最後の当主は、盛岡藩に多額の金を貸していたが、藩が発行した借用書の文面が「御貸し上げ」と記されていた。これは藩が領民から「借りる」という行為があってはならないものであるため、便宜上そうしたものだ。

 ところが、新政府の役人と旧財閥(三のつく)が結託し、鍵屋に書面上の表記通りの金額の返却を求めたので、鍵屋は銅山を失い破産した。

 かように、悪事を働くと、百年後までその記録が残される。

 明治維新については、光の当たる表の部分しか語られぬことが多いわけだが、政権交代の際には、必ず新政権による収奪が起き、新政権の中核は皆、裕福になる。

 ま、歴史は「生き残った者」が、自分自身を美化するために記すものだ。