











◎古貨幣迷宮事件簿 「C古札類(続き)」
先ほど出品掲示をした。概ね半日以内に反応があるジャンルだ。
C36-40 盛岡藩領内の私札
自分用に撮り置いていたもの。要は状態が良いか、あるいは何かポイントがあるものということ。
C36 蔵米札
C37 公札(※会所) 金種が大きい。
C38 ねじり札(人足札) 上田通※※
C39-40 井筒屋権右衛門 面背とも割合、印判が鮮明に出ている。(出ていないものが大半。)
C102-C109 角館 商人私札
仙北郡は盛岡領のすぐ隣にあるのに「隣藩領」であるという理由で、調べをかまけていた。地元の資料館に寄贈する筈だったが、コロナの影響でそれもかなわず、さらに同じ影響で処分を余儀なくされるようになった。
残念だが、これも成り行きだ。
古札類は、『藩札図録』に掲載されているような有名品ならともかく、骨董的価値を測る術がない。資料的価値は分かるが、それをどのように評価するかはまちまちだ。
ただ、角館に関係する札は、ほとんど残っていないし、今後も出て来ないという点がポイントだろう。
このシリーズは、実際には角館川原町の一軒の旧家から出たものだ。
単に豪農豪商の蔵から出たという性質ではなく、
1)角館城主であり、後に新庄藩主となる戸澤氏の系列(傍流)の侍の家のもので、
2)角館川原町から横川町一帯を領していた、
という背景を持つ。
資料自体は江戸の初期から明治に至るまでの広範囲に渡るもので、個別に状況が分かる品については単体で、資料的にまとめて見る必要のあるものについては一括に取りまとめるものとした。
札類は、角館の外に出る性質のものではないので、事実上、初見品に近い品と思われる。もちろん、次の入手機会は来ない。
よって、一応の目安は振ったが、総て「下値」とした。価値を見出すのは、これを見る側であるから、自身で考えよということだ。
幾らかは目を通しているが、すこぶる面白い。
「きちんと見て置けば良かった」と後悔ばかりが先に立つので、あまり見ぬ方が良さそうだ。老後の楽しみにするはずが、既に晩年に到達している。
未解読のものも多いから発見が多々あると思う。
※小林浄左衛門札
※柴田金札 (「センボクカクタテ」印)
などは、説得力がある。
とりあえず、「幕末明治には角館のことをカクタテと呼んだ」と自慢げに語れる。
ちなみに、これを見た時に「必ず入手しよう」と思ったのは、公札らしき品が一枚見えたからだが、その品は別に取り置いてあった。既に十数年は経過しているが、その札をどこにやったのかが分からない。
秋田の古札の中では、角館札はかなりの希少品だけに残念この上もない。
(この手のことがやたら増えて来た。)
なおきちんと検証の済んだものではないので、自身で判断のこと。実態を調べるには十年単位の時間がかかる。一朝一夕には成し遂げられぬ代物だ。
追記)仙台大型七福神については、仙台、浄法寺と別々に関心を持たれる方がいるようなので、三つに分割した。


