日刊早坂ノボル新聞

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◎古貨幣迷宮事件簿 「古札類」続き

盛岡藩花巻の商人札と角館古札

◎古貨幣迷宮事件簿 「古札類」続き

 体調不良にて十日ほど休養。どうやら自前での処理は出来なくなりそうなので、自社ウェブを通じた処分は四月末にて終了となる見込みだ。以後は息子なり代理の者が一般入札にて処理することになる。

 あまり人目に触れぬ媒体で売却を進めたのは、なるべく知人に役立てて貰いたいという意向による。単にゼニカネへの換金なら最初から一般入札を利用するわけだが、相手が見える媒体なので、人によっては購入品より多くのオマケを贈ったケースもある。

 ま、それもひとまず終了。真意を見取った者は大いに収穫があった筈だ。

 知見が金で買えると思ったら大間違いで、これという人にしか重要なところは教えない。これは古貨幣収集界の伝統でもある。

 

C50 盛岡藩 花巻八日町 沖屋 銭三百文

 形式から見てかなりの大店の発行したものだが、花巻商人の札類はこれまでほとんど見付かっていなかった。これは前述の通り、通称ルートが藩領を越えていたことによると見込まれる。

 盛岡商人の私札類は割と残っており、『藩札図録』などにも紹介されているが、花巻商人のそれは皆無と言ってよい。だが、見ての通りしっかりしたつくりで、実力が窺われる。格付けを調べたいが、「御用金番付」が手元に見当たらぬ。

 

C51 花巻 藤盛屋 銭壱貫文

 屋号はトメがあるので藤盛屋に見える。

 印判も割と明瞭なので、調べる楽しみは多い。花巻商人札の中では、形式のきちんと揃った逸品と言える。

 

 以上二品はあまりにも「見事」な品なので、これまでずっと手元に取り置いた。

 いずれ老後にじっくり調べようと思っていたが、生憎それも叶わぬようだ。

 興味のある者がウェブの「花巻札」の掲示を見れば、必ず激戦になる筈なので、出品掲示を最小限にとどめておく。ツイていれば、数日間誰も見ていなかったりするかもしれぬが、それも人徳のひとつ。

 

C103 角館 古札 米関係 元和五年

 「覚」とあるので、約束事について記したものだが、じっくりと詳細を調べる時間は既にない。気付いた者に渡そうと思う。

 元和五年に、角館で「誰が誰に対してどうした」事実が分かれば、資料的には大きな意味がある。

古貨幣迷宮事件簿