日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

コイン

◎古貨幣迷宮事件簿 「通貨・絵銭のあれこれ」(続)◆下げ渡しの白銅寛永

◎古貨幣迷宮事件簿 「通貨・絵銭のあれこれ」(続)◆下げ渡しの白銅寛永 前回の続きになる。 「仰宝小極印打」についてはこれまで検証の経過を幾度も記した。 入手などプロフィールについては、繰り返しになるので概略に留める。 岩手のN古泉会のK会長の病気…

◎古貨幣迷宮事件簿 「古貨幣、絵銭の話あれこれ」R060617

◎古貨幣迷宮事件簿 「古貨幣、絵銭の話あれこれ」R060617 既に収集生活は終了したつもりだったが、整理箱を見ると、まだ大量に残っていた。 一番多いのは近代銀貨だが、このところの銀の高騰で、「よくぞ売れ残っていてくれました」という状況になっている。…

◎古貨幣迷宮事件簿 「称浄法寺鋳浚い改造銭」

称浄法寺中字 鋳浚い改造銭。解説頁は前に作成したもの。 ◎古貨幣迷宮事件簿 「称浄法寺鋳浚い改造銭」 この品を入手したのは平成の初めの頃で、もの凄く高額だった。 浄法寺天保の鋳浚い母の発見数は、トータルで十数枚と言われており、江戸本座銭を加工し…

◎古貨幣迷宮事件簿 「サムハラ銭」

◎古貨幣迷宮事件簿 「サムハラ銭」 まじない銭のひとつで、兵が戦地に赴く時にお守りとして持参した。 敵弾が「当たらぬ」ことを祈願するもの。 語源はサムハラはサンスクリット語の saṃvara (「三跋羅(さんばら)」)という言葉に由来する。「三跋羅」は…

◎新渡戸仙岳『岩手に於ける鋳銭』(昭和九年)中「栗林銭座」を読む(1)

◎新渡戸仙岳『岩手に於ける鋳銭』(昭和九年)中「栗林銭座」を読む(1) 前回の文献検討では、南部史談会における「降点盛字銭」(「下点盛」)は、明治から大正期に議論済みであった見解が、昭和戦後の南部銭の分類・解釈にはなんら反映されていないことを…

◎古貨幣迷宮事件簿 「稗三合一揆と八戸藩札」─見る者の見方で見え方が変わる─

◎古貨幣迷宮事件簿 「稗三合一揆と八戸藩札」─見る者の見方で見え方が変わる─ 天保期から明治中期までの北奥の話を書いているが、「物事の見え方は、見る者の境遇や見る時の立ち位置で変わる」と思うことが多々ある。 その一例が、八戸藩の野村軍記という家…

◎古貨幣迷宮事件簿 「称浄法寺銭 鋳放銭(Cタイプ)の出自を探る」

◎古貨幣迷宮事件簿 「称浄法寺銭 鋳放銭(Cタイプ)の出自を探る」 在庫の残りを見直し、再整理に回している。 南部天保および称浄法寺天保については、最大三百枚超の在庫があったが、残りはこの称浄法寺銭1枚だけになった。 なるべく正確に記そうと思うが…

◎古貨幣迷宮事件簿 絶賛「断捨離」中 その1

◎古貨幣迷宮事件簿 絶賛「断捨離」中 その1 そろそろ具体的な身辺整理に取り掛かるべく、部屋の「断捨離」を始めた。 思わぬものが出て来て、その都度手を停めて考えるので、なかなか進まない。 ひと晩かかって、ようやくPC机の周りだけ整理した。 F01…

◎古貨幣迷宮事件簿 「島田木札」

島田代官所管内の木札類 ◎古貨幣迷宮事件簿 「島田木札」 地方の慣習には、その地域独特のものがあるようで、島田代官所管内も特有の木札文化がある。 下の「島田通用」はコレクターにはお馴染みの品だが、島田宿で「大井川の渡しの際に用いられた」という説…

◎古貨幣迷宮事件簿 「文久期寛永通寶」

◎古貨幣迷宮事件簿 「文久期寛永通寶」 文久銭の記事を記して思い出した。 これを開示するのは三度目だが、反応は様々だ。 「同じものを見たことがあるような気がする」という人も多い。 みすぼらしい貨幣なので、目に留まりにくいし、型分類が存在していな…

◎古貨幣迷宮事件簿 「文久銭の分類」

◎古貨幣迷宮事件簿 「文久銭の分類」 中国の収集家より質問が来ましたので、可能な範囲で回答します。 質問)R051119 画像の文久永寶の分類は、文久直永類:本体、本体(次 鋳)、削字、狭穿、進点永、進点永(圆点)で宜しいですか。 回答)文久永寶の書体…

◎古貨幣迷宮事件簿 「浄法寺の母銭ですか?」への回答

◎古貨幣迷宮事件簿 「浄法寺の母銭ですか?」 中国より下記の照会がありましたので、分かり得る範囲で回答します。 「面径より背径が大きく、横から見ると台形になります。背が浅い、輪側は斜めやすりが、テーパーがしっかりとられています。浄法寺の母です…

◎古貨幣迷宮事件簿 「寛永通寶のつくり方」(前回の続き)

◎古貨幣迷宮事件簿 「寛永通寶のつくり方」(前回の続き) 前回の概念図は、イメ―ジをたやすくするためのものなので、細部をはしょっている。こういうのは、微視的な観察を旨とする収集家にはあまり向いていない。 例えて言うなら、樹木を観察する時に、葉の…

◎古貨幣迷宮事件簿  質問A「これは文政大字の母銭ですか?」、質問B「これは面背逆製ですか」に関する共通の回答  

◎古貨幣迷宮事件簿 質問A「これは文政大字の母銭ですか?」、質問B「これは面背逆製ですか」に関する共通の回答 前回、「これは寛永通寶当四、文政大字の母銭ですか」という質問について、「焼け銭である」「母銭ではない」「分類上は文政大字である」とい…

◎古貨幣迷宮事件簿 「見え方の違い」(続)

◎古貨幣迷宮事件簿 「見え方の違い」(続) 前回のテーマについて幾名かの方がご意見を下さり、大変有難うございました。 意見はどなたも同じで「文政大字」。 地金が黒いところは気になりますが、少し焼けたか錆によるもの。 背面の意匠が硬く見えるのです…

◎古貨幣迷宮事件簿 「目視、拓本、画像の見え方の違い」

◎古貨幣迷宮事件簿 「目視、拓本、画像の見え方の違い」 まず最初にお断りするが、ウェブを通じ、質問が多数寄せられているが、回答は順番待ちとなっており、時間がかかると思って頂きたい。今は闘病生活を送っているし、既に現品や資料を散逸させ、引退した…

◎古貨幣迷宮事件簿 R051103「合金寛永」

◎古貨幣迷宮事件簿 R051103「合金寛永」 時々、質問が寄せられるので、ここに記して置く。 多くは「雑銭から白銅銭が出たのですが」という照会だ。 今見付かるのは、多くは中国製だ。これは輪側の処理方法でそれと分かる。中国では今も金属型主流なので、和…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その10)了  暴々鶏

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その10)終了 暴々鶏 この別記◆の二番目で、この報告は一括りとなる。 ここでのテーマは、主に「何故に多様な変化が生まれたのか」ということに関する見解になっている。 ◆別記 その2 十五号504頁(20)~505頁(21)…

◎古貨幣迷宮事件簿 「床に落ちていた」

◎古貨幣迷宮事件簿 「床に落ちていた」 片付けを始めてから一年以上経つが、一層、ゴミ屋敷になった。 ま、段ボールの数が減り、中身を出して点検してから、差し上げたり売ったりしているので、その都度店が開く。 つい先ほど、そんな段ボールを横にずらした…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その9)  暴々鶏

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その9) 暴々鶏 本論は前項で終わっており、これから先は「別記」に該当する部分となる。 これまでの部分は原則論に関する内容であったが、以下は具体的な銭容に関わる疑問を提示するものとなっている。要するに各論というこ…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その8)  暴々鶏

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その8) 暴々鶏 繰返しになるが、前回に於いて、「宮福蔵の関与した品を銭籍から排除すべき」だと記したが、これは「新研究」の(二)以降の品は、ほぼ「宮福蔵旧蔵品」か、「それから派生(写)したものである」ことによる…

◎「背盛字銭の新研究」を読む その7中間講評   暴々鶏

平成二十年作成資料を一部訂正したもの ◎「背盛字銭の新研究」を読む その7中間講評 暴々鶏 さて、これまで「新研究」について精読を試みて来たが、この段階で判明したことを整理する。 まず一つ目は、小田嶋古湶は「背盛異書」(=降点盛字、下点盛)とい…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その7)  暴々鶏 

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その7) 暴々鶏 「背に盛の字を入れて領内限通用とせよ」という幕府の命令を受け、急遽、江戸深川俯永を台とする母銭を作った。これが(一)の原型であり、実際のところ、(二)以降とは面文の書体が異なる(参考図4)。 常…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その6)  暴々鶏

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その6) 暴々鶏 ◆「大迫銭座」 (続5) 十五号499頁(12)~501頁(13) またこの原母を銀造とする説もあるが、これも眼界狭い我らにはわからない。平尾氏愛蔵のものは昭和7年其着衆仙輯に於いて、これを銀鋳盛岡当…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その5)  暴々鶏 

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その5) 暴々鶏 さて、「新研究」の文脈に従い、小田嶋及び当時の郷土史家がどのような認識をもって「背盛字銭」を眺めていたかを同時進行的に確かめる。 これまでのところ、我々後代の者が持つ疑問は主に次のようなことであ…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その4) 暴々鶏

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その4) 暴々鶏 本文の読解に戻る。現在の収集家にとっては、最も解釈に困る箇所である。 ◆「大迫銭座」 (続3) 十五号497頁(6)~499頁(9) 従来盛岡藩鋳造背盛字異書と称さるるものに比し、第一に眼につくのは形…

◎「背盛字銭の新研究」を読む(その3補足)  暴々鶏

◎「背盛字銭の新研究」を読む(その3補足) 暴々鶏 このシリーズは現存品の分類や鑑定を志向するものではないから、これについてはあくまで脇話の類になる。前回の話は、あくまで出発点である「新研究」の内容に関わるところの銭影(型)について、幾つか問…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その3)   暴々鶏

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その3) 暴々鶏 報告文を「読む」ことの意味は、単に「眼を通す」ことに留まらず、一言一句を吟味し、書き手の文脈(意図)に沿った意味を解釈することにある。この「背盛字銭の新研究」や『岩手に於ける鋳銭』については、…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その2)      暴々鶏 

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その2) 暴々鶏 引き続き、原典を読み、一つひとつについて見解を述べる。 小田嶋古湶「背盛字銭の新研究」(『南部史談会誌』より) ◆「大迫銭座」 (続2) 十五号496頁(3)~497頁(4) (以下原文) まず発表前に…

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その1) 暴々鶏 

◎「背盛字銭の新研究」を読む (その1) 暴々鶏 研究の基本的姿勢のひとつは「原典に当たる」というものだ。 明治期半ば以降、「南部史談会」が岩手県の郷土史研究の拠点になっており、議事録を『南部史談会誌』にまとめているので、これを一つひとつ読解し…