日刊早坂ノボル新聞

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◎古貨幣迷宮事件簿 絶賛「断捨離」中 その1

古貨幣迷宮事件簿 絶賛「断捨離」中 その1

 そろそろ具体的な身辺整理に取り掛かるべく、部屋の「断捨離」を始めた。

 思わぬものが出て来て、その都度手を停めて考えるので、なかなか進まない。

 ひと晩かかって、ようやくPC机の周りだけ整理した。

 

F01懸賞テレカ(企業グッズ)

 モニターの裏からテレカ出現。

 これは確か家人がテレビ番組の懸賞に当たって貰った品だったと思う。

 存在数は少ないが、プレミアムがつくかどうかは怪しい。

 それどころか、テレカは「販売終了」ではなかったか。

 でも公衆電話はまだ存在している。

 調べてみたが、終了したのはICテレカで、昔の磁気テレカはまだ使えるそうだ。

 テレカ自体、もう十年以上使ったことが無い。

 テレカは80年台から2000年くらいの間が利用のピークだった。今は携帯が普及したから、ほとんど公衆電話を使うことはない。電話ボックス自体は「音を漏らさぬ」目的でよく利用されているようだ(時々中の人を見かける)。

 ちなみに、昔は1万円など高額なカードが存在しており、外国人による偽造カードが出回ったのでICカードが出来た。

 だが、金額を1千円までに限定すれば、偽造カードの心配はあまり必要がなくなる。IT通話が出来たので、国際電話を回線でかけることもほとんど無くなった。

 災害が発生し、携帯が繋がらなくなった時のために、回線公衆電話は必要だ。東日本の時にも、繋がったのは回線電話だけだった。となると案外、総てが消滅することは無いのかもしれん。

 

 ついでなので、手を停めた品について列記する。

 机の周囲に転がっていた品なので、雑銭レベルだが、そもそもそのジャンルの小さく些細なことを探るのが基本スタンスだ。

「文銭の地金替り」

 長らく消息不明だったが、PC机の裏に落ちていた。

F02 銀含み

 微量の銀が混じった品だと言われる。本銭なのかどうかは知らぬ。

 秋田方面には、鉱山の特徴なのか、銀と亜鉛が混じったものがごくまれに出る。そちらは配合の妙で、表面に血を塗ったような毒々しい色だったと思う。

 この品は長らく空気に晒されていた割には、あまり変色しないが、古色は黒くなりそうだ。これは銀の影響だと思う。

 比重を調べると、事実関係が簡単に分かりそうだが、闘病生活が長きにわたっているので、なかなか出掛ける機会がない。銀を確認出来ると、その途端に珍品に化ける。
 「銀含みの文銭」は永楽銀銭と同程度の評価ではなかったか(忘れた)。

 当品は鹿角の商家の銭箱から発見した。

 

F03 白

 画像は目視で見るより白さが目立たない。雑銭から出した時には真っ白だったが、次第にくすんで来た。昔の銭譜の文銭の項目に、「白」という表記がなされているが、白っぽいという程度ではなく、真っ白だったと思う。「白銅質」「白銅」ではなく「白」だ。

F04、F05 黄銅

 二十年以上放置して来た筈だが、色がまったく変わらないところを見ると、真鍮ではなく黄銅らしい。

 F05はF02と同様に、鹿角の銭箱から出た品だったが、当初はメッキ銭かと思っていた。時間が経過したら、落ち着いて来たので、すなわち地金がこういう色だった。

 百年は前に箱に放り込まれたと思うが、その当時の人も違和感を覚えたらしい。こよりは銭箱から出した時についていたものだ。昔の人が「これは変なお金だ」と思い印を付けた。

 

F06 加治木系鐚銭

 たまたまなのだろうが、鐚銭を集めている人には一度も会ったことがない。

 ま、私が分類に興味が無かったことの影響だと思う。

 変化が多岐に及んでいるので、このジャンルに踏み込めば、長く楽しめそうではある。

 書体の変化など、独特の味がある。有磁である。

 

F07 慶長鐚式

 慶長通寶は「吉語」としても、すこぶる良い組み合わせなので、多く好まれる銭種だ。

 ま、コレクター的には、さしたる変化に乏しい銭種なので、面白みに欠けるきらいがあるかもしれん。

 袋に入れて、招福御守にするという用途もありそうだ。「長命富貴」よりこちらの方が品がある。

 

F08 鉄銭かと

 銭種はごくありふれたものだが、この品は鉄銭の間に混じっていた。

 鉄の密鋳写しなら、本銭より格段に少なくなるので、ドキッとした。

 鉄銭の間に入ると、銅の劣化が異著しく進むので、風貌も鉄銭っぽくなる。

 背長の鉄銭写しなどは、密鋳銭には「存在しない」銭種だが、薄く文字が美味く出ぬことによると思われる。この銭種も谷が浅いので、写しを作るのには向かない。

 母銭改造を試みる段階で撥ねられる銭種になっている。

 心が動いたので取り置いたものだ。

 

F09 八戸マ頭

 文字に変化があり、八戸領のマ頭背千のよう。

 背千の横引が斜めで、「舌千」気味だが、抜けが悪くはっきりとは分らない。

 マ頭小字背千・無背は、目寛見寛座に近い銭種で、かなりの変化があるので、経路を辿って行くと楽しめると思う。

 

 古貨幣に対する関心がほぼ抜け落ちて、今は傍観者的な立ち位置になった。

 手が止まった品は、いずれ「整理ロット」として、役がある品はまとめて処分しようと思う。

 位付け「1」クラスの品を何枚か紛失しているので、片付けの途中で出て来てくれればありがたい。