アンティーク
古貨幣迷宮事件簿 ◎古貨幣迷宮事件簿 「九月盆回し(ホ)」の品評と思い出話 古貨幣関連の話題を振らなくなっていたせいか、雑銭の会の旧メンバーにはなかなか情報が届かなくなっている。古銭会で話が出てそこで・・・ということなのだろうが、その時には、先に…
◎古貨幣迷宮事件簿 「九月期盆回しの開示」 PCが殆どクラッシュ状態になり、データをの意向を進めていますが、ほぼ買い替えることになりそうです。このため、欠損を埋めるための資金提供を目的に「盆回し」を開催することとしました。 方式はこれまで通り。…
◎古貨幣迷宮事件簿 「鹿角の赤ペラ寛永」 現在、PCのお引越し中。普段使っているものが頻繁にフリーズするようになったためで、滅多に立ち上がらない。今日はたまたま立ち上がった。 どうやらウインドウズがワンドライブを強制的に落とし込んだことで生じた…
称浄法寺中字 鋳浚い改造銭。解説頁は前に作成したもの。 ◎古貨幣迷宮事件簿 「称浄法寺鋳浚い改造銭」 この品を入手したのは平成の初めの頃で、もの凄く高額だった。 浄法寺天保の鋳浚い母の発見数は、トータルで十数枚と言われており、江戸本座銭を加工し…
◎新渡戸仙岳『岩手に於ける鋳銭』(昭和九年)中「栗林銭座」を読む(1) 前回の文献検討では、南部史談会における「降点盛字銭」(「下点盛」)は、明治から大正期に議論済みであった見解が、昭和戦後の南部銭の分類・解釈にはなんら反映されていないことを…
◎古貨幣迷宮事件簿 「稗三合一揆と八戸藩札」─見る者の見方で見え方が変わる─ 天保期から明治中期までの北奥の話を書いているが、「物事の見え方は、見る者の境遇や見る時の立ち位置で変わる」と思うことが多々ある。 その一例が、八戸藩の野村軍記という家…
◎古貨幣迷宮事件簿 「称浄法寺銭 鋳放銭(Cタイプ)の出自を探る」 在庫の残りを見直し、再整理に回している。 南部天保および称浄法寺天保については、最大三百枚超の在庫があったが、残りはこの称浄法寺銭1枚だけになった。 なるべく正確に記そうと思うが…
◎古貨幣迷宮事件簿 絶賛「断捨離」中 その1 そろそろ具体的な身辺整理に取り掛かるべく、部屋の「断捨離」を始めた。 思わぬものが出て来て、その都度手を停めて考えるので、なかなか進まない。 ひと晩かかって、ようやくPC机の周りだけ整理した。 F01…
島田代官所管内の木札類 ◎古貨幣迷宮事件簿 「島田木札」 地方の慣習には、その地域独特のものがあるようで、島田代官所管内も特有の木札文化がある。 下の「島田通用」はコレクターにはお馴染みの品だが、島田宿で「大井川の渡しの際に用いられた」という説…
◎古貨幣迷宮事件簿 「文久期寛永通寶」 文久銭の記事を記して思い出した。 これを開示するのは三度目だが、反応は様々だ。 「同じものを見たことがあるような気がする」という人も多い。 みすぼらしい貨幣なので、目に留まりにくいし、型分類が存在していな…
◎古貨幣迷宮事件簿 「文久銭の分類」 中国の収集家より質問が来ましたので、可能な範囲で回答します。 質問)R051119 画像の文久永寶の分類は、文久直永類:本体、本体(次 鋳)、削字、狭穿、進点永、進点永(圆点)で宜しいですか。 回答)文久永寶の書体…
◎古貨幣迷宮事件簿 「浄法寺の母銭ですか?」 中国より下記の照会がありましたので、分かり得る範囲で回答します。 「面径より背径が大きく、横から見ると台形になります。背が浅い、輪側は斜めやすりが、テーパーがしっかりとられています。浄法寺の母です…
◎古貨幣迷宮事件簿 「寛永通寶のつくり方」(前回の続き) 前回の概念図は、イメ―ジをたやすくするためのものなので、細部をはしょっている。こういうのは、微視的な観察を旨とする収集家にはあまり向いていない。 例えて言うなら、樹木を観察する時に、葉の…
◎古貨幣迷宮事件簿 質問A「これは文政大字の母銭ですか?」、質問B「これは面背逆製ですか」に関する共通の回答 前回、「これは寛永通寶当四、文政大字の母銭ですか」という質問について、「焼け銭である」「母銭ではない」「分類上は文政大字である」とい…
◎古貨幣迷宮事件簿 「見え方の違い」(続) 前回のテーマについて幾名かの方がご意見を下さり、大変有難うございました。 意見はどなたも同じで「文政大字」。 地金が黒いところは気になりますが、少し焼けたか錆によるもの。 背面の意匠が硬く見えるのです…
◎古貨幣迷宮事件簿 「目視、拓本、画像の見え方の違い」 まず最初にお断りするが、ウェブを通じ、質問が多数寄せられているが、回答は順番待ちとなっており、時間がかかると思って頂きたい。今は闘病生活を送っているし、既に現品や資料を散逸させ、引退した…
◎古貨幣迷宮事件簿 R051103「合金寛永」 時々、質問が寄せられるので、ここに記して置く。 多くは「雑銭から白銅銭が出たのですが」という照会だ。 今見付かるのは、多くは中国製だ。これは輪側の処理方法でそれと分かる。中国では今も金属型主流なので、和…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その10)終了 暴々鶏 この別記◆の二番目で、この報告は一括りとなる。 ここでのテーマは、主に「何故に多様な変化が生まれたのか」ということに関する見解になっている。 ◆別記 その2 十五号504頁(20)~505頁(21)…
◎古貨幣迷宮事件簿 「床に落ちていた」 片付けを始めてから一年以上経つが、一層、ゴミ屋敷になった。 ま、段ボールの数が減り、中身を出して点検してから、差し上げたり売ったりしているので、その都度店が開く。 つい先ほど、そんな段ボールを横にずらした…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その9) 暴々鶏 本論は前項で終わっており、これから先は「別記」に該当する部分となる。 これまでの部分は原則論に関する内容であったが、以下は具体的な銭容に関わる疑問を提示するものとなっている。要するに各論というこ…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その8) 暴々鶏 繰返しになるが、前回に於いて、「宮福蔵の関与した品を銭籍から排除すべき」だと記したが、これは「新研究」の(二)以降の品は、ほぼ「宮福蔵旧蔵品」か、「それから派生(写)したものである」ことによる…
平成二十年作成資料を一部訂正したもの ◎「背盛字銭の新研究」を読む その7中間講評 暴々鶏 さて、これまで「新研究」について精読を試みて来たが、この段階で判明したことを整理する。 まず一つ目は、小田嶋古湶は「背盛異書」(=降点盛字、下点盛)とい…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その7) 暴々鶏 「背に盛の字を入れて領内限通用とせよ」という幕府の命令を受け、急遽、江戸深川俯永を台とする母銭を作った。これが(一)の原型であり、実際のところ、(二)以降とは面文の書体が異なる(参考図4)。 常…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その6) 暴々鶏 ◆「大迫銭座」 (続5) 十五号499頁(12)~501頁(13) またこの原母を銀造とする説もあるが、これも眼界狭い我らにはわからない。平尾氏愛蔵のものは昭和7年其着衆仙輯に於いて、これを銀鋳盛岡当…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その5) 暴々鶏 さて、「新研究」の文脈に従い、小田嶋及び当時の郷土史家がどのような認識をもって「背盛字銭」を眺めていたかを同時進行的に確かめる。 これまでのところ、我々後代の者が持つ疑問は主に次のようなことであ…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その4) 暴々鶏 本文の読解に戻る。現在の収集家にとっては、最も解釈に困る箇所である。 ◆「大迫銭座」 (続3) 十五号497頁(6)~499頁(9) 従来盛岡藩鋳造背盛字異書と称さるるものに比し、第一に眼につくのは形…
◎「背盛字銭の新研究」を読む(その3補足) 暴々鶏 このシリーズは現存品の分類や鑑定を志向するものではないから、これについてはあくまで脇話の類になる。前回の話は、あくまで出発点である「新研究」の内容に関わるところの銭影(型)について、幾つか問…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その3) 暴々鶏 報告文を「読む」ことの意味は、単に「眼を通す」ことに留まらず、一言一句を吟味し、書き手の文脈(意図)に沿った意味を解釈することにある。この「背盛字銭の新研究」や『岩手に於ける鋳銭』については、…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その2) 暴々鶏 引き続き、原典を読み、一つひとつについて見解を述べる。 小田嶋古湶「背盛字銭の新研究」(『南部史談会誌』より) ◆「大迫銭座」 (続2) 十五号496頁(3)~497頁(4) (以下原文) まず発表前に…
◎「背盛字銭の新研究」を読む (その1) 暴々鶏 研究の基本的姿勢のひとつは「原典に当たる」というものだ。 明治期半ば以降、「南部史談会」が岩手県の郷土史研究の拠点になっており、議事録を『南部史談会誌』にまとめているので、これを一つひとつ読解し…