◎古貨幣迷宮事件簿 「見え方の違い」（続）
前回のテーマについて幾名かの方がご意見を下さり、大変有難うございました。
意見はどなたも同じで「文政大字」。
地金が黒いところは気になりますが、少し焼けたか錆によるもの。
背面の意匠が硬く見えるのですが、黒変で印象が変わったのかもしれません。
これは現品を見ぬと何とも言えません。
画像では輪側もよく見えぬのですが、全体が縦鑢であれば、文政の本銭です。
たまたま湯口付近が見えていたのであれば、そこのみは縦に削りますので、それ以外の個所を観察する必要があります。
公営銭座と密鋳銭とでは、仕上げの道具が違いますので、輪側の処理方法で、本銭と密鋳銭とを概ね区別できます。
現在分かり得る範囲では、「文政期の大字」「通用銭」が最も有力だと思われます。
ちなみに、型のみで判断するのは、やや危険で、今ではかなり精巧な写しが作れますので、必ず製作を確認する必要があります。
A）通用銭は何百万枚と作られます。
B）母銭も千枚以上作られます。
C）仕上げに使用する工具は数十台までで、とりわけ研磨用器具（粗砥台）は十台以下だと思われます。
本会では「最初に輪側を見ること」と指導して来たのは、「判断が容易な部分から固めていく」ことで、製造工程が違えば、それを作った人も別人です。
C→B→Aの順に観察するのが合理的だと思われます。
以下は私の感想です。
少しドキッとしたのは、背面の波がかっちりしていることで、質問者の「母銭ですか？」という問いはここから出たものだと思われます。
ただ砂笵の作り方が異なるので、母銭ではないのは明らか。これは既存の文政期の母銭を観察する機会を持てば、簡単に分かると思います。
手元の画像を探したのですが、ハードディスクが破損した時に失われてしまいました。中国では、日本の貨幣博物館を直接訪れるのは難しいと思いますが、どなたか訪日する収集家がいれば、その人に依頼すると良いかもしれません。
コレクターの幾人かがドキッとしたのは、「明和大字の通用銭の可能性がある」と言うことだろうと思います。この銭種は母銭のみしか知られていませんが、通常、稟議に掛ける時には、百枚から数百枚の通用銭（試作品）を作ってみるのが普通です。
存在する可能性があるので、ドキッとするわけです。
あとは、表面色の黒変に眼が止まりますが、要因は主に「焼けた」か「密鋳写し」によります。これは製作の違いで判断出来ます（画像では詳細は分からない）。
密鋳銭の場合、文政大字を写しますので、型自体は文政期と同じです。
このうち、地金が白っぽく、輪側が横系統（斜め横）で角が立っていれば、「文久様」という銭種の製作に近くなります。
以下は自動翻訳になりますので、内容が粗くなります。
以下是自动翻译，内容可能比较粗糙。
我要感谢几个人对上一个主题的意见。
大家都有一个共同的看法：“文政大字”。
我担心黑色金属，但这可能是由于烧焦或生锈造成的。
背面的设计看起来很硬朗，但发黑可能改变了印象。
在没有看到实际物品的情况下，这是不能说的。
图像中看不到环面，但如果将整个硬币垂直雕刻，则它是真正的文政硬币。
如果您碰巧能够看到浇口附近的区域，则需要观察其他区域，因为这是唯一要垂直切割的区域。
由于公钱币和三钱币的加工工具不同，所以一般可以通过环的加工方式来区分真币和三钱币。
据目前所知，“文政时期的大字”和“通用銭”似乎是最有可能的。
顺便说一句，仅通过模具来判断有点危险，现在可以制作相当精细的复制品，因此您应该经常检查生产情况。
- A) 生产了数百万枚硬币。
- B) 铸造了 1,000 多枚硬币。
- C) 用于精加工的工具可能只有几十个，特别是用于抛光的工具（粗磨台）不到十个。
在我们协会，我们一直教导“先看环面”和“在容易判断的部分上工作”，如果制造过程不同，制造它的人就会不同。
按照C→B→A的顺序观察似乎是合理的。
以下是我的想法。
让我有点惊讶的是，背面的波浪很尖锐，这可能就是提问者的问题“这是你妈妈的硬币吗？”的来源。
但由于沙布的制作方法不同，显然不是母币。我想，如果你有机会观察现存的文政时代的钱币，你就很容易理解这一点。
我寻找我拥有的图像，但当我的硬盘损坏时它们丢失了。我认为在中国亲自参观日本货币博物馆是很困难的，但如果有一位收藏家来日本的话，问问那个人可能是个好主意。
我认为令一些收藏家感到震惊的是，它有可能是明和大字硬币。这种硬币只有母币已知，但通常在申请批准时，通常会制作100到数百枚硬币（原型）。
这令人震惊，因为它有可能存在。
另一件引起你注意的事情是表面颜色变黑，但这主要是由于“烧伤”或“紧密铸造”造成的。这可以通过制造的差异来确定（图像中看不到细节）。
就三津币而言，文政大字是复制品，因此图案本身与文政时代相同。
其中，如果母材呈白色，环面呈水平（对角线水平）且有尖角，则类似于称为“文久様”的硬币的制作。
