日刊早坂ノボル新聞

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◎古貨幣迷宮事件簿 「清朝鋳銭局一覧」(中途)

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清朝鋳銭局一覧(中途)

◎古貨幣迷宮事件簿 「清朝鋳銭局一覧」(中途)

 清朝銭は従前の収集家の蔵中に眠っている場合がある。

 かつて、収集界では「古銭と言えば中国銭」を指しており、北宋銭や唐銭あたりまでが対象だった。江戸にも数々の古銭書があるが、大半が中国の古代銭に関するものだ。

 清朝銭は時代が新しいので、あまり収集対象にならなかったようだ。

 明治以降では、清朝銭はほとんど現行貨に近かったから、やはり扱いが低かった。

 昭和五十年代でもコイン店の店頭で、大型銭が一枚千円二千円で買えた。

 これが中国経済が良くなり、富裕層が古銭の収集に乗り出して来るようになったので、様相が一変した。

 平成になってからは、多くの中国人が日本で自国の古貨幣を買い漁っている。

 かつての「古銭」(古代から北宋銭あたりまで)は、中国本土に幾らでもあるから対象とはならぬようだが、清朝銭には入手が難しい品もある。

 思わぬ「お宝」になったりするが、日本では分かりよいテキストが少ない。これは集める人が少なかったからだ。

 最低限、鋳銭局を分類するところを手掛かりに、中国のカタログを検索することになるのだが、あまり興味を持たぬ者にとっては、どれがどれやらがサッパリ分からない。

 私は、昭和末から平成初めに清朝銭を入手していたので、幾らか在庫があった。

 その時、自分なりに「一目で判断出来る情報資料」が必要と思い、途中まで作成してあった。

 もはや大半を売却したし、今後は集めることも無いだろうから、情報を提供して置くものとした。もちろん、情報の質は「中途」であるから、免責という了解で利用されるとよいと思う。

 割合、地方の方が所有しているようで、たまに売却の手伝いの依頼がある。

 

 昔、大塚コインが大塚駅前にあった頃に、店頭で大型清朝銭を頻繁に眼にしていた。

 収集対象ではなかったから、そこで買ったのは数枚程度だ。

 だが、自身が会社の経営者であった時代に、地方の会社の商品を「倉庫まるごと」買ったことがあるのだが、奥の棚に木箱ひとつの清朝銭が仕舞ってあった。

 「内部の物を一切」という条件だったので、それも引き取って来たが、その際に大塚コインでの耳学問・眼学問が役に立った。

 買い取った商品について欠損が出たのだが、その後、その欠損をこの清朝銭が幾らか埋めてくれた。 

 そんな思い出がある。

 

 収集がオークションベースで行われるようになり、地方の古道具屋を回る楽しみが無くなった。店主と様々な話をすることで、「けして文字には残らぬ情報」(要するに地元で生まれた贋作に関することだが)を得られたのだが、今ではそれも無くなった。

 収集自体が面白いものではなくなったので、六七年前から撤退を始めたが、引き際としてはちょうど良かったと思う。

 

 「お祖父さんの収集品」のうち、大型清朝銭は処分できず、そのまま残されている。

 よく調べると、お小遣い以上のお金が生まれる場合もある。