日刊早坂ノボル新聞

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◎真鱈の鱈子が安いわけ

真鱈の鱈子が安いわけ
 トップに行くと、真鱈の卵巣が安く出ていた。3百グラム超で二百円台。
 「鱈子」と表現すると、通常は塩漬けした後のものを指すが、この場合は未処理(生のまま)のものなので卵巣とした。
 真鱈の白子は高級品で、値段も撮れる商品だが、卵巣の方はやたら安い。ま、煮ても焼いても美味くない。
 だが、親戚のスケソウダラは「鱈子」として珍重される。
 同じ仲間なのに扱いが違い過ぎる。

 優良な食材なのに、なんでこんなに安いのか。
 「なら、試しに真鱈の鱈子パスタを作ってみるか」
 早速、これを購入した。

 問題は前処理で、普通の鱈子は塩漬けにしてあるからそのまま使えるが、生鱈子は加熱処理が必要だ。
 ここでちょっと考えさせられたが、母の「鱈子ふりかけ」を思い出した。
 母は鱈子を乾(から)煎りし、これをご飯にかけたり、お茶漬けにしたりして食べていた。
 一旦過熱してそぼろ状にして、そこから普通の鱈子パスタにする。
 火が通ったところで、別に用意したイリコ出汁で戻し、少々オ炒めタマネギを合わせる。
 あとは通常の方法で、昆布茶を入れたりして下味を調え、ソースを作ってみた。
 ここで気が付く。
 「まだ生臭いなあ」

 下味の段階でショウガを使っており、麺と合わせる時に大葉を投入するが、たぶん、それでも生臭さが残る。
 幸い、今は柚子の季節だから、皮を摩り下ろして投入した。
 ひとまず試作品が出来た。
 普通の鱈子のように食紅を使っていないので、色が白い。
 また、量が少ないのは、当方が「一人前の40%」の食事制限があるからということ。
 でも、少しだけ盛ると、高級なレストランみたいな雰囲気になる。

 味的には、まだ生臭さを感じる人がいると思う。
 真鱈の鱈子があまり使われぬのは、この処理の手間が掛かるということらしい。

 真鱈と見ると、子どもの頃を思い出す。
 小学生の頃、実家の商店では年末の大売り出しで、真鱈を箱売りしたが、「外配」の売り子担当になり、よくこれを売った。
 当時の十二月はマイナス13度から15度にはなっていたから、半日外に出ずっぱりだと、体が芯から冷えた。
 氷水に手を突っ込む必要もあり、十二月の思い出は唯々、「キツかった」ということだけ。だが、あれがあるから我慢強くなったのは確か。