日刊早坂ノボル新聞

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おバカな話シリーズ たばこ1箱1千円?

センスのない政治家だか財界人だかが「たばこ1箱1000円案」を言い出したら、いくつかの新聞ではそれに同調するコメントを出していました。
 たばこ税の値上げが、税収アップと健康増進の双方で役立つという論調ですが、この人たちには本当に想像力がないと感じますね。

 もし国内のたばこの販売価格の水準を1000円にしたなら、国際空港のそばには、手回り品や個人輸入品の買い取り所ができます。これはパチンコ屋の景品買取所を連想すればよいでしょう。
 アジア近隣諸国のたばこの値段を1箱百数十円程度と仮定すると、旅行者の大半が関税のかからない限度額一杯まで購入してくるでしょう。もしくは関税がかかる量であっても、国内売価よりかなり安い水準になりそうですので、個人で大量に持ち込む人が増えるでしょう。

 そうなると、次におバカさんたちは、きっとたばこの輸入関税を上げようと考える。
 もしそうなったら、その後はザクザクと近隣諸国からの密輸が増えますね。
 麻薬を密輸するより手間隙かからず、益率のものすごく高い品目になります。500円くらいの設定でもきっと飛ぶように売れますので、悪くとも原価の3倍くらいにはなりそう。

 あきれるのは、「諸外国では1箱1千円の水準だ」という国民ダマシの手法がいけしゃあしゃあと使われることです。
 英連邦ではたばこは1箱800円以上ですが、そのかわり公共医療は無料ですよ。
 ニュージーランドでは所得税が4割になる層が大半だし、消費税も17%くらいだったりしますが、失業手当は失業の翌週から出ます。もちろん、公共医療は無料。
 このため原則として、ホームレスはニュージーランドにはいません。きちんと住民登録していれば野垂れ死ぬことなんてありえない。
 (でも、なぜかイギリス本国にはホームレスはいます。ここは現地で実態を調べてみないとわかりません。)
 カナダでは、20年くらい住んでいれば、外国籍でもきちんと年金をくれます。ちなみにその人がいくら払ったかが問題になるわけではなく、一定期間その国に住んでいれば、きちんと年金はもらえます。もちろん、国外にいても申請すれば100%もらえる仕組みです。
 給付の水準がまるで違うのに、納税部分だけを取り上げて「外国では・・・」と言うのは、詐欺でありペテンです。

 自分に都合の良い課税の部分だけを取り上げて、「諸外国では・・」なんてことを語る政治家は、この国には不必要なので、選挙では思い切りヤジリ倒そうと思います。

 物価が上がり閉塞感が溢れているのに、それを救うどころか、促進するわけですね。
 若者が暴れたくなる気持ちをまったく理解していないということだろうと思います。