日刊早坂ノボル新聞

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「チルドレン オブ ホアンシー」を観て

DVDで「チルドレン・オブ・ホアンシー」を観ました。
あれれ?
原作者が誰かは知りませんが、これって時代考証はあっているの?
私は右翼でも国粋主義者でもありませんが、1930年代の中国の描き方がおかしいような気がします。
中国と言うより、「日本」の位置づけと言ったほうが良いかもしれません。

まあ、悪役が悪くないとドラマがつまらないので、日本を徹底的に悪役に仕立て上げたのでしょうが、取材が安直。
おそらく、中国南京に観光旅行的に取材に行き、それをそのまま取り入れたのだろうと思います。

原作者がイギリス人なのかアメリカ人なのかは知りませんが、英仏独など列強は清朝末期から中国を侵略し、勝手に租界を設けた上、権益を得ました。
自分たちのことはさておき、日本のみを侵略者として描いてます。

中国にアヘンを持ち込んだのは一体誰だったのか。
その辺の事情は都合よく無視されています。

かつて「ダンス・ウイズ・ウルブス」でも、同じようなことを感じました。
先住民をさんざん殺しまわった側の立場なのに、映画では自らを先住民側に置いていました。
「チルドレン・・・」だって、イギリス人がどっちの仲間かと言えば、もちろん悪役の方でしょ。

時代の趨勢に反対した人は、どの時代でも、どの局面でもいます。
でもそれは総てではない。
英国が中国に進出したのは、権益を得るためで、正義のためではありませんでした。
一面的な観点によるもので、それ以前に考証が正確ではないと思います。

まあ、あくまで物語のひとつではあります。それ以上ではなし。
たぶん、映画は取りまとめに限界があるので、原作(小説?)の方がなんぼか丁寧だろうとは思います。
現状では、どの立場の人にも感情移入できません。