日刊早坂ノボル新聞

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「未来とは歴史の終焉」

「未来とは歴史の終焉だ」

スタートレック 未知の世界」の最後で、カーク艦長が口にした言葉です。
クリンゴン星人との長い闘争を経て、和解に向かいつつある。
そういう段階での言葉なので、「これまでの相克を乗り越えよう」という意味だろうと思いますが、日本語訳が下手すぎますね。
ま、字幕で「何文字で納める」というルールがあるので致し方ありません。

元々、「スタートレック」はシェイクスピアの引用が多く、そこが好かれている点でもあります。
もしシェイクスピアが好きな人なら、この言葉が「テンペスト」に関連していることが、すぐ分かるそうです。

テンペスト」では、「魔術」が重要なアイテムで登場しており、主人公は「魔術が解かれ、自分も自由の身にして欲しい」と願います。
確かに、互いに争ってきた歴史の呪縛を解かない限り、「新しい世界」を拓くのは難しい。
そういう「わだかまり」を捨てて初めて、未来が拓かれるのだ、とカーク艦長は言うわけです。

「呪縛を捨て去ること」は本当に可能なのか。
自分自身のことで言えば、「極めて難しい」です。
ジャンルがアジア情勢で、こう書くと、次の展開が読めるようですが、おそらくまったく違います。

私にとって、歴史とは「消し難い記憶」のこと。
ここでは、過去に自分が実際に体験したことを意味します。
20数年前に、私は自分の事務所を窃盗団に荒らされ、多大な損害を被りました。
その時に生じた負債を払い終わるのに、20年以上も掛かったのです。
警察によると、「犯人は中国人の窃盗団で、大陸に逃げたようだ」との話でした。

「俺の20年を返せ」
やはり、復讐心がたぎります。
日本にまで犯罪を犯しにくるような輩を生んだ中国と中国人には、いずれ仕返しをしてやろう。
正直、そう思っています。
自分の実害に比べれば、「かつての過去の歴史」の話なんぞ、チャンチャラおかしい。
今、それを語る世代など、当事者でも何でもなく、三世代も後の人間ですから。

その点、こちらも戦後の生まれです。
三世代前の過去の戦争のことで、頭を下げる気など、正直まったくありません。
逆に69年前より、もっと手痛い仕打ちを返してやりたい。
そう思うほどです。

しかし、そういう気持ちをなだめるのは、中国人の友人の存在です。
その友人に対し「昔、窃盗団に荒らされた恨み」をぶつけることが無いのは、その人も日本では同じような境遇だからです。
中国人強盗が、最初に襲うのは、同胞である中国人のところです。
理由は言葉が通じるから、「話が早い」こと。
そういう面では、中国は大国なので、同胞とは「国」や「〇〇省」出身ということではないようです。
出身が「〇〇県」くらいのところで、初めて「同胞」と言えるのかもしれません。

たぶん、完全に「過去を捨て去る」ことは出来ないだろうと思います。
復讐心には、いつでもスイッチを入れられますので、いつかそれが爆発する日が来るのかもしれません。

「未来とは歴史を乗り越えることから」
自分の経験が無ければ、実に良い言葉です。
この後、アジアのクリンゴン星人と和解できるならいいのでしょうけど。
私は嫌なので、極力距離を置いていようと思います。(もちろん、友人は別として、です。)

アジアには、クリンゴン星人だけでなく、「ゴラム」みたいに見えるのもいるわけです。
本当に困ったもんだ。