日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 番外編 道を歩いていたら

瀧不動を訪れた日の夜に、家人がこんな夢を観たそうな。

★夢の話 番外編

夫と2人で道を歩いている。
ある一軒家の前を通り掛かったら、中から声がした。
男女の怒鳴り声だ。
何のことで怒鳴り合っているかは分からないが、今にも刃傷沙汰に及びそうな按配だ。

「こりゃ不味い。見過ごすわけには行かんな。仲裁しよう」
夫は偏屈でぶっきらぼうだが、お節介焼きの裏返しからだ。こういうのを見過ごしていられない。
「一応、警察にも連絡しとけ。男が暴れ出したら、オレ1人では手におえない」
夫の言いつけ通り、警察に電話を掛けた。
「来るって?」
「十分くらいで来るって」
「よし」

夫が玄関のチャイムを鳴らす。
ピンポーン。
ドアが開き、顔を出したのは、老夫婦だった。
「ああ良かった。人が来てくれた」
お爺さんの方に夫が尋ねる。
「何かあったんですか。道まで声が聞こえます」
老夫婦の顔が曇る。
「息子と嫁の折り合いが悪くて、喧嘩をしているのです」
「もう夫婦喧嘩の域を外れてますよ。警察を呼びました」

文句を言われるかと思ったが、老夫婦からは別の言葉が出た。
「有難うございます。私たちには、もうどうにも出来なくなっています。あなた方が来てくれてよかった」
老夫人も言葉を添える。
「本当に、もう長い間どなたかが来るのをお待ちしていました」
私はそのご婦人の「もう長い間」という言葉が引っ掛かったが、ここは黙っていた。

この時、後ろの方から声がした。
「もしもし。〇×警察です。お電話されたのはあなた方ですか」
夫と私が振り返る。
「そうです。この家から怒鳴り合う声が聞こえたものですから」
警察官がすぐ近くまで近寄って来たので、私と夫は前に向き直った。

すると、さっきまでいた筈の老夫婦の姿が消えていた。
「あれ。どうしたんだろ。息子夫婦を止めに行ったのか」
家の奥の方では、さっきまでと同じように、男女が争う声が聞こえている。

「お巡りさん。ほら、あれですよ。今にも刃傷沙汰になりそうでしょ」
切羽詰っているのが、誰でも分かる。
警察官が靴を脱ぎながら、奥の方に声を掛けた。
「〇×警察です。中に入りますよ」

私はこの時、どういうわけか、その警察官の足元を見ていた。
(警察官って、ブーツじゃないんだわ。そっか。ブーツを履いているのは白バイ警官なのね。)

夫と警察官が中に入る。
私はそのまま玄関先で待っていた。
すると、程なく夫の声がした。
「うわ。何だこりゃ」
警察官が無線で何かを伝えているようだ。

夫が玄関まで戻って来た。
「おい。ここの家の人。皆死んでる。お年寄り夫婦と女性。それと子ども2人の遺体がある。もう半ば白骨化してるから、だいぶ前に殺されたんだな」
「皆死んでるの?」
「おそらくね。息子らしき姿がないから、おそらくそいつが・・・」

でも、私はここで気が付いた。
「でも、お父さん。さっき、声が聞こえたじゃない。家族全部が死んでいるなら、あれは誰と誰が言い争っていた声なの?私も、お父さんも、警察の人も声を聞いたでしょ」

ここで覚醒。

死人が誰かに見つけて欲しくて、あたり構わず声を上げていた、という夢のようです。
お不動さまのところにお詣りすると、家人はこういう夢をよく観るらしいです。