日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第572夜 テレビ番組で

◎夢の話 第572夜 テレビ番組で
 5日の午前3時に観た夢です。

 夢の中の私は女。
 ごく普通の家庭で育ち、タレントになることを夢見ている。
 実際、ごく小さい出演だが、テレビにも少し出ていた。
 その多くはBS放送で、ローカル番組だ。

 ある日、ようやく私にもチャンスが巡って来た。
 「今度、ウチの番組に出てもらえませんか」
 そういう連絡が入ったのだ。
 電話を寄こしたのは日本人で、日本のテレビ番組のディレクターだと言う。
 「こんな番組なんですよ。まずは観てください。地上波の放送ですから」
 男がDVDを点けると、確かに地上波のバラエティ番組だった。
 「ドッキリ※※」みたいな冠名が付いている。
 タレントが一般人をだまし、騙された人が驚く顔を眺める。そんな番組だった。

 「嘘じゃありませんよ。この番組に出て、評判が良ければ、あなたは日本でスターになれるかも。日本でスターになれば、いずれあなたの国でも成功できる」
 下積み生活を続けている私には、願っても無い話だ。
 「この話自体がドッキリだった、ということはないですよね」
 私が確かめると、男は笑って首を横に振った。
 「まさか。あなたが既に大スターなら別ですが、正直なところ、あなたはまだ駆け出しです。すなわち、役柄的には騙す方ですよ」
 ちょっと失礼な言い方だが、事実だった。
 「早速、ソウルに飛んで貰います。その後は日本です」

 数日後、私はスタッフと一緒にソウルに向かった。
 仕事の中身は、アイスクリームショップの前で、ソフトクリームを後ろの客の胸に当てるというものだ。
 「カメラクルーはどこなの?」
 私が尋ねると、男は「カメラが見つかったら、ドッキリにならない。だから、かなり離れたところから撮るんだよ。スタッフの姿は見えないが、あちこちから君の姿を撮影している」
 この日1日だけだったが、私はこの仕事を無事にこなした。

 その次が日本だった。
 東京から2時間くらいのテーマパークみたいなところで、同じように何人かの相手を驚かせる仕事だった。
 男はスタッフを計6人連れ、私の演技を指導する。
 「いいかい。君はある人の顔を突然両手で覆うんだ。その時にその人の顔にべったりとクリームを塗る。そうすれば相手はもっと驚くだろ。それが終わったら、君はすぐにその場を離れるんだ。相手には何も伝えていないから、驚くだけでなく怒りだすかもしれない。僕らがすぐに間に入るけれど、殴られたりすれば大変だから、君はすぐにその場から立ち去らねばならないよ。ドッキリがうまく行ったら、君は僕らの方に合図をしてくれるかい」
 「分かりました。上手く行ったら、私は手を上げて合図をしますから」
 「そう。それでいい」
 この仕事も私は無事にこなすことが出来た。
 テレビでの放映は2ヵ月後で、日本だけの放送だ。
 私には見られないが、男は「いずれビデオを送ってあげる」と言う。

 この次の仕事がクアラルンプールだった。
 今度の撮影場所は空港で、スタッフが指定した相手を驚かせる。
 ま、過去2回と同じような内容だから、私はもう慣れている。
 前と違うのは、相手の男の前にもう一人の女性が立ち、男の足を止めた上で、私が顔を撫でる。そんな段取りだった。
 最初に自分の手にグリセリンを塗る。ドッキリの直前になったら、今度はその上からワセリン状のクリームをつけて、それを相手の顔に塗る。
 二重に塗るのは、「手が荒れないように」という私への気遣いからだと言う。
 相手の顔に塗るクリームは油で、ぬるぬるしているから、水溶性のグリセリンを塗って置くのは、実際助かる。
 終わったら、すぐに洗えば落ちやすい。

 この仕事も大成功で、相手の男は驚いて声を上げた。
 きっと、この空港のどこかでカメラが撮影している。
 おそらく三箇所くらいだわね。
 私はスタッフに向かって、両手を挙げて合図をした。
 「やったわよ」

 その次の日。私はもう一度空港に行った。
 そういう約束だったからだ。
 「尺が足りない時には、もう一度撮るから、明日もここに来て」
 そう言われていたのだ。
 ところが、私が空港に入ると、沢山の警察官が駆け寄って来た。
 警察官たちは私を取り囲むと、低い声で私に告げた。
 「お前を逮捕する」
 私は驚いて、警察官に問い返した。
 「一体どういうことですか?」
 警察官の一人が私の腕を取り、手錠を掛ける。
 「昨日お前は人を殺したんだよ」

 え。驚いて言葉も出ない。
 連行されようとする私に、別の警察官がささやいた。
 「この国では、殺人犯は死刑になる。どういう理由だろうと、人を殺した者は報いを受けるんだ」

 ここで覚醒。
 
 トム・クルーズかマット・デイモンあたりが出る映画のよう。
 映画のような凝った仕掛けですが、実行犯の女性たちは騙されていると思いますね。
 殺人犯に仕立てられ、もしそれを少しでも認識していれば、死刑。
 まさに映画のような展開です。
 そう言えば、父親の金正日は映画好きでした。

 夢の中の「私」はベトナム人ですが、あの表情は絶対に「犯人」ではないと思います。
 マレーシア警察は、しゃにむに実行犯であることを認めさせ、その裏に北がいることを示して、事件を終わらせようとするでしょうが、絶対に認めたらダメです。
 警察はそんなもんで、それが正義かどうかは関係ありません。