日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎ 夢の話 第456夜 電車にて

◎ 夢の話 第456夜 電車にて
 7日の朝8時ごろに観た夢です。

 眼を開くと、電車の中にいる。
 車両には7、8人が座っていた。
席は空いていたが、オレは扉の前に立っていた。
 すぐ近くの席には、母子がいて、その向かい側には老婦人。
 老婦人から少し先にの長椅子の端には、中年の男が座っている。
 あとの人はだいぶ離れている。

 母親に向かって、男の子が大きな声で尋ねた。
「ねえ。どうしてあの小父さんは女の人をおんぶしてるの?」
母親が顔を上げる。
 男の子が見ているのは、反対側の長椅子の中年男だ。
「え?」
男の子が重ねて言う。 
「どうしてあの小父さんは、女の人をおんぶしてるの?ほら、あの小父さんだよ」
 男の子が中年男を指差す。
 「お前は何を言ってるの。やめなさい」
 母親が止めようとするが、男の子は何度も同じことを口にした。

「何だろ」
 オレは男の子の言葉に耳を留め、中年男の方に視線を送った。
 すると・・・。
 男の子の言った通りだった。
 その中年の男は、肩の上に女を乗せていた。
 女が眼をあらぬ方向に向け、男の首にかじりついていた。
「うわあ。幽霊じゃないか。まだ死んだばかりで、あの世に行けてない」
 行ける訳が無い。自分が死んだことすら、分かってはいないだろ。

 男の子がもう一度叫ぶように、中年男の背負う女のことを言う。
 これで、さすがに、中年男の方も気が付いた。
 青ざめた顔で男の子の方を見ている。
 仕方ない。
 オレは腰を下ろして、男の子の顔の近くでささやいた。
「ねえ、ボク。今の君には色んなものが見えるだろうけど、お母さんには見えないんだよ。君が見えるのも、あと数年の間だけだ。だから、あまり気にしなくていいんだよ」
 男の子が怪訝そうな表情でオレを見る。
「他の人には見えないの?」
「そう。俺には見えるけどね。でも、君のお母さんみたいに、殆どの人には見えないから、君が変だと思われるよ」
「そうなの」
「そう。小学校の5年生とか6年生になっても見えるなら問題だけどね。その時はこの僕に相談しな」
「どうすれば良いの」
「インターネットで、『獄』って検索すれば、僕に行き着く。獄は地獄の獄だ」
「分かった」

 ここでオレは立ち上がって、今度は中年男に告げた。
 「あんたは、早く警察に行った方が良いよ。あんたが殺した女は自分が死んだことも分からずにあんたに取り憑いている。そのままだと2人とも酷いことになるよ。早く自首して、ご供養をし、その女性をあの世に送るんだね」
もう無理だけどね。気休めだな。

ガタンゴトンと電車が揺れる。
「何だか最近は、随分とこんなことが起きる」
もしかして、オレが幽界の壁に穴を開けたことが影響してるのかもしれん。

「縞女は、まだこの世に野放しの状態なんだよな」
 そう考えると、本当に憂鬱な気分になる。

ここで覚醒