日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎転記の怖さ

◎転記の怖さ
 豊田議員の「怒り」の原因は、支持者にバースデイカードを送るのに、秘書が氏名住所を間違ったことからだと言う。
 となると、おそらくデータの処理は秘書1人にやらせていたということだ。
 実はこれが決定的な誤り。
 数量にせよ文字にせよ、転記の場合は「最低3回、目を替えて行う」のが鉄則だ。
 この辺、判断の必要が無く誰にでも出来そうだが、現実はかなり違う。

 研究所にいた時、新しい研究員が入ってくると、最初は必ず転記作業をやらせる。
 研究職なので、皆、高学歴で、転記は「自負心よりもかなり下」の単純作業だ。
 一様に短時間で仕上げ、「終わりました」と持って来る。
「見直しをしたか。最低2回はエラーチェックをする必要があるんだよ。必ず誤記があるから」
 そう言うと、新人は一様に顔を膨らませる。
 「ちゃんとやっています!」
 これはもちろん想定内。
 「では、試しに別の人に点検して貰ってみて」
 ここで、古くからいる女性パートに頼み、エラ-チェックをしてもらうと、何のことは無く、1ページに10箇所も誤記がある。
 当たり前の話で、人間の目と手がやっていれば、かなり慎重な人でも数個は出る。

 この手の作業が最も出来なかったのは、H大学院出、K大学院出でした。
 「こんなもの出来て当たり前」だと思っているから、他の人よりエラーを沢山出す。
 正しいことを前提とするから、「こんなのも出来ないのか」と腹が立つが、「エラーは必ず出る」という認識を持っていれば、「必ず他の人にも確認してもらってね」と指示する。
 豊田氏の根本的な誤りは、自分がやったことがないのに「こんなの出来て当たり前だ」と思っていたことだ。
 40余人分のエラーが出たとなると、300~400人くらいを手書きさせたか、PCでデータを出力する時に行ズレが起きたかということ。数量的には、たぶん後者。手書きではひと桁だろう。
 いずれにせよ、出来た段階で、他の人にも点検させるという配慮が必要になる。
 今回の「しくじり」は秘書がしでかしたことではなく、本人の認識が間違っていたから起きている。
 これで学んで次に生かして、と言いたいところだが、豊田議員の政治生命はこれで終わる。
 ま、暴力を振るったら、即時アウトだ。

 文書校正も同じだが、さらに送信の際に磁気エラーが出たりする。
 文字化けが記号ならすぐに分かるが、同じ文字だともはや発見出来なくなる。
 電子写植の際に、ミスタッチひとつすると、おかしなことになってしまう。
 掲載紙を見て、文字が化けているのを発見し、頭を抱えてしまうことが時々ある。