日刊早坂ノボル新聞

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◎(佐川氏証人喚問)「市役所の方から来ました」

◎(佐川氏証人喚問)「市役所の方から来ました」
 昨日、病院のベッドで横になっている時に、佐川氏の証人喚問を観た。
 丸川議員の質問には、腹を抱えて笑ってしまった。
 あれは例えばこんな感じの問答だ。(以下は想像なので、氏名はカタカナに。)
 マルカワ「あなたは市役所の方から来たと言いましたが、市役所の隣の法務局では無いですよね」
 サガワ「ええ。法務局の者ではありません」
 マルカワ「その隣の保健所から来たわけでもないですよね」
 サガワ「その通りです。保健所の者ではありません」
 マルカワ「市役所の隣の幼稚園とは関わりが無いですね」
 サガワ「幼稚園とも一切関わっていません」
 マルカワ「では、あなたは市役所の人ですか」
 サガワ「その点につきましては、訴追を受けるおそれがありますので回答を差し控えさせて頂きます」
 マルカワ「ではなぜこういう事件が起きたのでしょう」
 サガワ「管理責任は私にあり、その意味での責任は私にあります」
 犯行時には「市役所から来た」と言えば詐欺になるので、「市役所のほうから」と言っていた。その事実を確認するのに、「法務局」「保健所」「幼稚園」ではないことを確かめても、何の検証にもならない。

 質問者(自民党)は悪辣だが、そんな仕掛けが見えてしまうところは、「かなり焦っている」ということでもある。
 攻め手(野党)はピントが外れており、何とか総理や妃殿下(総理夫人)の関与を引き出したいと思っている。でも、まったく逆で、取り巻きの暴走を「制止しなかった」「許容した」という意味で、安倍総理には重大な瑕疵がある。
 総理には行政の監督責任があり、財務省公文書偽造を働いたとなれば、麻生財務大臣はおろか、総理大臣の監督責任が問われる。それくらい財務省は国の根幹中の根幹だ。

 昨年、安倍総理は国会で「印籠を出せば何でも思う通りになるようには出来ていない」と言ったが、実際にはそういう風に出来ていた。
 黄門さまが自ら印籠を出すことは無いが、助さん格さんが出す。安倍政権では、「うっかり八兵衛」も 「風車の弥七」も印籠を出すし、団子屋の主人も宿場のゴロツキ(籠池)も出した。
 黄門さまは「私は一切関わっていない」と言うが、その何ら関わっていないことが罪だ。
 口で「そんなことはするな」と言うだけでなく、行動で示す必要がある。
 現実に、お友だちやら支援者の元に、通常は考えられない利権が集まっているし、それを安倍総理はすべて許してきた。

 アル・カポネは何十件もの殺人や恐喝を行ったが、手下にやらせたり、手下がやるのを黙認したりしたので、証拠が取れず逮捕出来なかった。カポネが逮捕されたのは、周知の通り「脱税」だ。
 「黄門さま案件」は、同時に「マフィア案件」でもある。
 地方の教育委員会に脅しを入れる「チルドレン」の振舞いを見れば、まさにヤクザそのものだろ。
 もちろん、安倍総理が「そうしろ」と指示したわけではない。金魚の糞が勝手にやっているだけ。この場合、総理に責任は無いが、罪はある。体質がこうだということで、自ら指示したよりも、もっと状況が悪い。
 
 さて、丸川氏の質問は「総理周辺がかかわっていない」ことを印象付けるための操作なのだが、こんなダマクラカシに引っ掛かる国民がどれだけいるのか。
 (ま、残念だが、沢山いる。日本では毎年何百億も振り込め詐欺に引っ掛かっている。)
 でも、丸川氏はいちいち「総理」「総理夫人」「麻生大臣」「官房長官」を上げたが、安倍チルドレンは入っていない。安倍チルドレンが、上からの指示無く、政権に楯突いた前川氏の授業にイチャモンをつけたのは、つい最近のこと。
 あれを見れば、仕組みが分かるだろうと思う。安倍チルドレンは「金魚の糞」で、政権にくっついて行くことを身上としている。

 佐川氏の答弁では、自身の関与については一切言及せず、「訴追を受けるおそれがあるから差し控える」としたが、一方で「管理責任は私にある」と言った。
 この流れは「理財局の一部が単独・自主的に行った」とするものであり、ことによると「自身の与り知らぬこと」と主張する可能性もある。
 理財局では18人が関わったとされているが、佐川氏の答弁を聞いて、さぞ戦慄を覚えたことだろう。
 18人が「切り捨てられた」という意味になるからだ。
 「誰かに指示され、仕方なくやった」なら、情状酌量の余地があるが、自分たちが誰の指示も示唆も受けず、自主的にやったことなら、まさに確信犯となる。
 ことの重大さから見て、執行猶予はつかず、実刑になる。
 免職どころではすまない事態だ。
 だが、ここで真実に突き当たる。
 誰の指示も示唆も受けず、理財局の職員が自主的に起こした犯行だとするには、根拠が薄すぎる。動機が見当たらないし、その行為で得られる利益も無い。
 決済文書の書き換えを行って、財務省の職員が何の得をするのか。
 そのことで、誰が利益を得るのかを考えれば、構図は自ずから明らかだ。
 動機無くして犯罪なし。
 理財局の職員は今が考えどころだ。免職になり、あるいは実刑をくらった後で、「誰かのお零れを貰って生きる」のか、「前川氏の道を進む」のか。前者は情けないが、誇りを捨てれば生きてはいける。後者なら、ヤクザみたいなストーカーが行く先々に出て来て妨害する。もちろん、気分的には後者の方が楽だ。
 前川氏など、ごく平凡な官僚だったのに、安倍チルドレンが「(安倍総理にとっての)贔屓の引き倒し」的に騒いでくれるので、今や社会正義の旗手に上ろうとしている。次の選挙には野党から出るだろうと思う。金魚の糞が思い描いたのとは反対の方向に物事が動いてしまう。

 丸川氏と佐川氏の問答では、明らかに摺り合わせが行われていた。
 佐川氏の過去一ヶ月の携帯電話の着歴を調べれば、誰がどういう風に動いていたかが簡単に掴める。もちろん、大阪検事局だってそのことを知っているから、過去一ヶ月といわず、半年以上前からの通話歴を調べるだろうと思う。
 電話会社はセキュリティが甘いから、コンサルタントならすぐに調べられそう。
 そこでアタリを取って、事実を積み上げれば、簡単に崩せる。(証拠としては使えないが。)
 ところで、あれだけ目立っていた「助さん格さん」辺りは、今の問題が公になってからすっかり姿を消した。一番怪しいのは、陰に隠れている者であることは言うまでも無い。ま、ここはただの憶測だ。

 ところで、今日の二階幹事長の弁はこう。
 「これで総理や官邸が関与していないことが証明された」
 これへの感想は「コイツは国民をバカだと思っているのか」だ。
 総理や官邸が関わっていないなら、一体「誰が」「何のために」行ったのかを証明しなくてはならない。すなわち、佐川氏の喚問は何の説明にも証明にもなっていないので、この問題はいつまでも続く。
 安倍政権ではこの手の話ばかり延々と続いている。これは野党が無駄な質問ばかりしているせいではなく(「無駄」ではなく「役に立たない」だ)、要するに「安倍政権だから」ということだろう。
 主役・登場人物が全員、総理のお友だちや取り巻きオンリー。 

 まあ、自民党には人材は幾らでもいる。安倍政権に夢も希望も見出せないなら、とっとと首をすげ替えるべきだ。安定多数なんだし、二階さんの思うがままだよ。 

 以下はオマケ。
 「パンが無ければ、お菓子を食べればいいじゃない」。
 マリー・アントワネットの言葉とされているが、もちろん、本人はそんなことを言っていない。
 庶民が「あの王妃さまならそんなことを言いそうだ」との思いから作り上げた嘘話だ。
 なぜそんな話が出来てしまったのかは、今の総理夫人を見れば如実に分かる。