日刊早坂ノボル新聞

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◎世に蔓延する「アベイズム」

◎世に蔓延する「アベイズム」
 西日本に大雨が降り、大規模な被害が出ている中、安倍総理は会議と懇親会に出ていた。
 ま、被害の状況をつぶさに知り得る状況にはないから、そうしていたのは致し方ない。
 もちろん、あくまで「致し方ない」の範囲だ。
 しかし、安倍総理はそれを「万全の手を尽くしていた」と言う。
 おいおい。その状況は致し方なかったかもしれないが、万全の手は尽くしていないだろ。

 たぶん安倍総理は自分の言っていることを正しいと信じている。
 論理はこう。
 「会議、懇親会は既に決められていた。それを遂行していく中で、自分としてやれることをやった」
 そういう意味なのだろう。
 ま、普通のセンスの人間なら、「詳細は知らぬとはいえ、やや不謹慎だった」とかナントカ申しわけを述べる。だから、庶民には安倍総理の考えていることがよく分からない。
 「万全の対策」とは程遠いよな。

 安倍総理の理屈は「オレの事情」を優先した時の話だ。
 オレは自分のやりたいことをやるけれど、その上でやれることはやってあげる。
 そういう意味だ。

 東京五輪の話もよく似ている。
 企業の営業上の理由から、開催時期を7月にするのが望ましく、これが規定路線。
 でも、7月のこの時期に屋外でスポーツをやったら、選手、観客に死人が出る。
 危険だから、せめて「開始時刻を7時にします」。
 これも、安倍総理なら「最善の手を打った」と言うだろう。
 だって、7月にやらなくちゃならないんだもの。

 一般人の考える最善の手とは、開催時期を十月に移すことだ。
 百万人規模の観客が来るわけだから、選手やお客さんにとってどうあるべきかを考えるのが当たり前だ。
 気持ちよく戦って、気持ちよく勝ったり負けたりして欲しい。
 ところが、「最優先されるべきはビジネス」が規定路線だから、「その範囲で」おざなりの対策が打たれる。しかもそれに「暑さ対策で」てな、まるで厚意でやってくれているような言い回しをつける。
 これが「アベイズム」でなくてなんだと言うの?

 安倍総理は、森友・加計でも終始一貫して「オレの論理」だけを主張してきた。
 世の中には目出度い人が多くて、安倍総理の「オレ優先」を「オレたち優先」だと錯覚してくれる人がいる。愚かな話で、大企業のオーナーでもお友だちでもないヤツなんか「オレたち」どころか、都合の良い奴隷に過ぎない。

 何百人と死人が出ても、たぶん、安倍総理は「手を尽くした」と言うだろう。
 都合が良いことに、その時には総理を辞めている。
 安倍政権が歴史に残すのは、こういう露骨な「オレ優先主義」で、オバマ氏がトランプを指して言った内容がすべて当てはまる。
 結局は「アベイズム」も「プチ・トランプイズム」だってのが、なおさら情けない。