日刊早坂ノボル新聞

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◎「テロと戦う」総理の本意

◎「テロと戦う」総理の本意

 安倍総理がフランスの大統領へのお見舞いのメッセージの中で、「テロと断固として戦う」と表明した。
 これを聞いて、国民の多くはこう思っただろう。

 「また虚勢を張る悪癖が出たか」

 正規軍を持たず、戦闘行為を行えない国がどうやって「戦う」のか。
 まさか、総理が最も得意とする「金を出す」ことを指しているのか?

 以前、イラク・シリアに間近なトルコまで行き、「テロと戦う」と大見得を切ったら、すぐ後でジャーナリストが2人殺された。その時、日本政府は何が出来たか。
 何ひとつ出来なかった。ただ見ていただけ。
 軍隊を出すわけでもなく、交渉するわけでもない。
 何も出来ないことが明白なのに、あえて「テロと戦う」と口にするのはどういうわけ?
 こんな挑発行為をすれば、誰でも腹を立てる。
 世界中に日本人はいるのだから、何人かを拉致して、政府に要求すればよい。
 どうせ現状では何も出来ない。

 どうやら、安倍総理東京五輪の時に、どうしてもテロを起こして欲しいらしい。
 日本でテロを起こすのは簡単だ。
 議事堂はチェックが厳しいが、議員会館や中央官庁なら簡単に入れる。
 鉄道などさらに楽勝だ。
 それなのに、わざわざ挑発するとは、どれほど愚かなのか。

 ここで安倍総理の本意に気づく。
 安倍総理の本音は「テロを起こして欲しい」ということだ。
 もしそうなると、一気に憲法改正の機運が進む。自衛隊を認めるどころか、国軍の再構築にまで進む。
 そこで、あえて挑発するわけだ。
 総理も「ただの政治家一家の末裔」ではないだろうから、表明には意図があったと見なす方が適切ではないか。

 ま、平和を旨とする国の代表なら、普通はこう言う。
 「テロの被害に遭って亡くなられた方や、戦争行為によって死傷した総ての国の方々に哀悼の意を表します」
 もちろん、「総ての国民」がポイントで、イラクやシリアの人たちもこれに含まれる。
 せめてそれくらいのことを言えばいいのに。
 そういう総理大臣なら、国民の心が少し穏やかになる。
 多少の身びいきだって目をつぶっていられるかもしれん。

 イラクでは少なくとも60万人、シリアでも数十万人が、米仏露の爆撃で死んでいる。
 数が分からないのは「調べられない」からで、実際はそれよりも多い可能性が高い。
 米仏は攻撃の後で「テロリストの拠点を攻撃した」と報道するが、これは嘘だ。
 現実は「テロリストが住んでいるかもしれない都市」を攻撃したということで、すなわち住人の大半が一般人だ。
 テロリストとは関係のない、女性や子どもたちまで殺している。
 そういうことを無視して、「テロと戦う」と言い張ることがどんなに愚かなことか。

 しかし、安倍総理は気分だけで物を言う愚かな人間ではない。
 きちんと思惑があり、意識的にそれを行っている。
 すなわち、外交上のトラブルや摩擦を「欲している」ということだ。

 そうなると、この人はこの国をミスリードする大悪人だということになる。
 むしろ、ただの見栄っ張りの愚か者だった方がはるかにましだ。