日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎扉を叩く音 番外編

◎扉を叩く音 番外編
「毎年、秋から冬にかけて、深夜、玄関の扉を叩く音がする」話の続きです。
いつもの年では、4月から9月までは平穏無事なのですが、今年は違うようです。

5月17日 午前3時の記録
夕食後、居間で眠り込んで深夜に至っていた。
しかし、2階から物音が聞こえ、それで目を覚ました。

「ゴト」「ゴト」
ベランダのほうか、それとも娘たちの部屋から聞こえる。
娘たちは平日、家にいないことのほうが多く、この日もこの部屋には誰もいない。

「雨樋を伝って、泥棒が上がって来ているのかも」
時々、2階の窓を施錠しないでいることがある。
すぐに2階に向かう。

「ゴト」「ゴト」
聞こえていたのは、やはり娘たちの部屋で、窓の近く。
暗闇の中から音が続く。
まるで、物干し竿の先でガラス窓をつついているような音だ。

廊下の灯りのスイッチを入れる。
2階がパッと明るくなった。

部屋を確かめてみたが、別段何も無い。
階下からもはっきりと聞こえるような大きな音だったのに。
「聞こえたような気がした」という次元では到底ないような明瞭な音だった。

ここで今の事態に気付いた。
「ああ、なるほど。今のは生きている人が出した音ではないや」
これは何かを伝えたくて、あるいは自分の存在を示したくて、この世ならぬ者が出した音だ。
そう言えば、目覚める直前に観ていた夢はあまり内容の良くない悪夢だった。

今年はいつもの年とは違う。
十分に気を付ける必要があるようだ。
当方は再び体調を崩す暗示があるし、息子も心のバランスを欠いている。
「魔」は心ガ揺れている時に入り込むが、今はその余地が十分にある。
縁の無い者にはまったく関わりの無い話だが、当方やたぶん息子もこちらの感度はかなり敏感らしい。
「聞いて欲しい者」は、「聞く耳がある者」を目指して集まる。