日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第61夜 子泣き爺(こなきじじい)

夢の内容を詳細に憶えているのは、私の特技(?)の1つですが、最近は所々抜け落ちるようになってます。トシなのか、本当はそれが当たり前なのか。
今朝方の夢は次のとおり。

2階で仕事をしていると、次女が呼びに来ました。
「お客さんが来たよ」
とりあえず中に通してもらうことに。

階下に降り、居間に入ると、テーブルに座っていたのは、ナント子泣き爺でした。
ハア?
しかし、お客さんなので、表情に出すわけにはいきません。
「こんにちは」
爺は私を一瞥し、「よう。どうしているかと思って来てみた」。
そーですか。

「山からどうやって来たんですか」
「新幹線だよ。大宮で乗り継いで。ここまで来るのには随分時間が掛かったなあ」
コーヒーを出すと、爺はすぐカップを持ち上げ、ずずっとすすりました。
藁蓑ががさがさ音を立てます。
「コートはお脱ぎになったらどうですか」
「おめえ、ワシが蓑を脱いだらタダの爺になっちゃうじゃろ。それにくつろぐのは話が済んでからじゃ」
それもそうです。

「昔なじみなんだから、敬語はやめてくれよ」
げ。知り合いかよ。
「回りくどいことは嫌いだから、早いとこ用件を言う。そろそろワシもトシだから、お前に代を譲ろうと思うのじゃ」
ありゃ、親戚か何かなのか。
「山に帰ってくれなくともいいが、ワシの藁蓑はおめえが継いでくれ」
藁蓑を着て暮らせってか。
「ワシが子泣きになったのは文政7年だから、もう180年は子泣きをやっている。そろそろ休みたいから、おめえが替われ」
「爺」になるのはまだ早いような気がするなあ。ましてや妖怪だし。

「この蓑はいいぞ。これを被った瞬間に、人の生き死にから、宇宙の摂理まで全てが見通せるようになる」
そういえばナントカの蓑というのが、昔話にあったなあ。千里眼だっけ?
確かに興味が無くもない。
「特別サービスで試しにちょっと着させてやる。決めるのはそれからでいい」
爺はさっさと蓑を脱ぎ、両手で拡げ、私に着せようとしている。

促されるまましぶしぶ蓑を被ると同時に、全てのことがパッと見えた。
火星の先、太陽を超え、宇宙の果てまで、視界が拡がっていく。
はるか遠くの星で生まれては死んでいく生きものたちの様子が手に取るようにわかる。
何億年の時空を飛び越えるのも容易なこと。
すばらしい。

「これがお前が知りたいと望んでいた世界じゃよ」
振り返ると、そこに居たのは子泣き爺ではなくて・・・、アインシュタイン博士!

ここで覚醒。
アインシュタイン博士は連日の登場です。
今思い出しましたが、「とにかくアインシュタイン博士を連想させるものを探す」という遊びがありましたね。