日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第750夜 サボテン

◎夢の話 第750夜 サボテン

 23日のこれは午前2時頃の夢です。

 

 半年間、宇宙ステーションに滞在していたが、ようやく戻って来られた。

 その間はずっと一人ぼっちだったので、話し相手はサボテンの鉢植えだった。

 窓の近くに置いていたが、日光は足りず、宇宙線を浴びていたのに、株が2つに増えていた。

 「よく頑張ったよな。地面に植え替えてやるからな」

 庭の片隅に植えてやろうと、土を整え始める。

 

 「あら。お帰りになったのですか」

 隣家の奥さんに声を掛けられる。

 「ええ。昨日戻ったんです」

 立ち上がってそう答え、もう一度向き直ると、その拍子にサボテンひと株を踏んでしまった。

 すると、そのサボテンが「ギャア」と鳴いた。

 さすがに驚く。

 「え」

 眼を近づけて見るが、何の変哲もないサボテンに違いない。

 しかし、何やら妙な気配がある。

 俺に気取られぬように、固まっているような感じだな。

 「おかしいな」

 ポケットにライターがあったから、それを取り出し、サボテンの端っこに火を近づけた。

 「ぎゃあ」

 サボテンは悲鳴を上げると、地面から這い出し、もこもこと逃げようとする。

 

 「こいつ。俺のサボテンに化けていやがる」

 いつすり替わったのかは分からないが、動物であることは確かだ。

 「宇宙生物を地球に放したら面倒なことになる」

 俺は手元にあったショベルで、サボテンの頭を強く叩いた。

 そのサボテンは半ば潰れ、伸びてしまった。

 

 「もう片方はどうなっているんだろ」

 背後を振り返って、鉢の方を向く。

 すると、そっちのサボテンは、相棒が倒されたのを悟ったのか、鉢から出てぴょこたんぴょこたんと逃げ去ろうとしていた。

 ハワイに男性の一物が飛び跳ねる玩具があるが、あんな動きだ。

 「おいおい。逃がすわけにはいかないよな」

 こんなのが地球で増えたら、処理に困る。

 一発で仕留めるために、俺はスコップを手に取った。

 その気配を悟ったのか、サボテンが叫んだ。

 「いやだ。やめてえええ」

 なんてこった。こいつは動物だっていうだけじゃなく、言葉まで話せる。

 ここで覚醒。