日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第753夜 誘拐犯

◎夢の話 第753夜 誘拐犯

 二日の午前4時に観た夢です。

 

 ゆっくりと我に返る。

 「ここはどこなんだろう」

 目の前には、道とその両脇の草むらが見える。

 しかし、そうは言っても、地面は俺のいた位置より3メートル下の方だった。

 「俺は空中に浮いているのか」

 頭がはっきりせず、ぼんやりしている。

 「何だかものを考えられないが、どうやら俺は死んでいるのだな」

 今は何となく、浮かんでいるだけだ。

 

 空中を漂っていると、車が見えた。

 黒い車が道の端に停まっていたのだ。

 車はワゴン車で、横のドアが開いている。

 中には男と犬がいるの見えた。

 犬は3匹で、顔の尖った大型犬が1匹と、小型犬が2匹だった。

 男は車から出ると、大型犬を外に出した。

 その男は50台で、頭を短めに刈っている。

 

 しばらくすると、その道を女の子が通り掛かった。

 すぐに犬に目を留めた。珍しい犬種だから、どうしても人の目を引く。

 「小父さんの犬なの?」

 「そうだよ」

 「撫でていい?」

 「いいよ」

 女の子が犬を撫で始める。

   「この犬格好いいね」

 「だろ?車の中には違うのもいるよ」

 女の子が窓から覗くと、確かに2匹のプードルが座っていた。

 「犬が好きなのか?」

 「うん」

 「飼ってみたい?」

 「うん」

 「じゃあ、先月生まれた赤ちゃんをあげようか。家は犬が多過ぎるから、貰ってくれると有り難いんだけど」

 「お母さんと相談しないと」

 「じゃあ、小父さんの家はすぐ近くだから、そこまで行って、赤ちゃんを渡すよ。その犬をお母さんに見せて、飼ってくれるように頼むと良い。犬の赤ちゃんの顔を見れば、きっとお母さんも駄目とは言わなくなるからね」

 女の子の顔が輝く。本当に犬が好きなのだ。

 

 俺は男の頭上でその様子を眺めている。

 「コイツ。誘拐犯だな」

 こうやって、子どもを攫っては殺しているのだ。

 T県やC県で起きた連続誘拐事件だって、本当はコイツが犯人だった。

 警察は犯人を捕まえたが、各々の「犯人」は真犯人じゃない。

 

 「殺されてしまうぞ。車に乗るな」

 何となくそう考えるが、俺はもう死んでいるから、ほとんど無感動だ。

 何を考え、何を感じても、生きていた頃の何十分の一しか心が動かない。

 

 周囲の空気がさわさわと波打つ。

 俺みたいなのが沢山寄って来ているのだ。

 女の子に、もはやそういう局面が来ているということだ。

 ひとの死に際には、こういうのが寄り付くもんだ。

 俺だってその仲間なわけだし。

 ここで覚醒。