日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第772夜 ひとつ足りない

◎夢の話 第772夜 ひとつ足りない

 十日の午前3時に観た夢です。

 

 我に返ると、目の前にPCの画面が見えていた。

 数表を開いていたのだが、どうやらロトの買い目を記録していたらしい。

 自身の買い目を記録しておき、当選番号を入力すると、当選した箇所が赤く替わるようにセットしてある。

 今回は60口くらい買ってみたが、数量で買い目を決めるから、約束事を守ると買い目が限定される。実際、最後の十口は無理やり足したものだ。

 この日が抽選日だったから、結果を入力したが、あんまり芳しくない。

 普段は10口から20口を買って、「5、6等が3、4本に、時々4等か空振りが混じる」という成績なのだが、今回は4倍近く購入したのに、当選は3本だけだった。

 「おいおい。随分と出来が悪いな。拡散回に当たったか」

 「拡散回」とは、「どうにも脈絡がなく、掴みどころの無い抽選回」のことで、5、6回に一度は必ずある。トレンドの傾向が変わる節目のようで、出目がその回の次からがらっと替わる。

 「ま、こんなもんだな。分析と感度を研ぎ澄まして、当てられる時にきっちり当てるしかない」

 

 こんなことを考えているうちに、誰かが後ろに来ていた。

 「足りない数字があるからだよ」

 振り返ると、そこに女が立っている。

 俺の女房の筈だが、何だか違和感がある。

 整った顔立ちで、ほっそりしている。

 その女が俺の肩に手を置いた。

 「ほら、これを入れると・・・」

 女が「ある数字」を入力した。

 すると、数表の半分くらいが赤に変わった。

 「このひとつを入れるだけで、全然違うでしょ。それに」

 女がもう1つの数字を入れ替える。

 「ここのひとつ上じゃなく下の数字を加えると・・・」

 全体が真っ赤になった。

 おまけに目の前には6個的中したものが見えている。

 「あんれまあ。少なくとも3等か」

 スクロールして先を見るのはやめたほうが良さそうだ。2等が出て来そう。

 下手すりゃ、その先も。

 

 「簡単でしょ。あなたはワイルドカードを忘れていたのよ」

 本当だ。規則に従って出現するのは概ね6個で、あとひとつはランダムな出方をする。

 そいつがロトの「ワイルドカード」だ。

 こいつは、いつも脈絡無く出るようだが、しかし、出現率などの特徴が際立っていたり、ケントクに近い出方をしたりする。一月十日に「11」みたいな出目だ。

 

 女がキーボードに手を伸ばし、画面を下にスクロールする。

 「これが今回の当選番号ね」

 改めて眺めると、それほど難しい並びにはなっていなかった。

 「ある数字」を基準に、同じ出現率の数字と、すぐ下の数字できっちり収まる。

 「なるほどな。こりゃしくじった」

 

 ここで俺はもう一度我に返る。

 (ところで、この女は一体誰なんだろうな)

 この女は俺好みの大人しい顔立ちで、穏やかな表情をしていた。

 (でも、この女は日本人だ。俺の女房は外人だから、女房じゃないよな。)

 数日前から、家の中に「一人余分にいる」ような気がしていたが、とりあえずコイツだったか。

 ぼんやりと考えているうちに、ゆっくりと覚醒。

 

 がっかりしたので当選番号を覚えていなかったが、目覚めた後に「まだ抽選前だ」と気付き愕然とした。

 「イケネ。ひとつしか覚えていねえや」

 それが「ある数字」なのだが、60口も買っているのに、そいつには4つしか絡めていない。

 7つ全部を覚えていれば、まだ買い足せるのに、1つだけでは買い直す材料としては薄い。ここはあっさり、諦める手だ。

 「雨降りには、ばたばたと動かない」のがセオリーだ。

 

 ま、「夢に出て来る最初の異性は、自分自身の分身」だというから、「この数字は俺の買い目では薄い」という意識を反映させただけかもしれん。

 でも、「女」は、最近、神社のガラスで見たヤツだと思う。