◎家の中でも
当家では、家族が不在の時に、誰もいないはずの二階で足音が聞こえる。
「どしんどしん」というほどの鮮明な音だから、聞き間違いではない。
夜に家の中で写真を撮ると、説明のつかない煙玉が写ったりする。
(最近になり、これが「私が呼び寄せている」ことが分った。)
家の中でぼろぼろと煙玉が出てからは、極力、写真の撮影を避けるようになった。
もし、煙玉ではなく人影が写ったら、それはそれで厄介な事態だからだ。
せっかく自宅にいるのに、のんびり出来なくなってしまう。
しかし、最近はこの手のことにも慣れて来て、少々のことでは驚かなくなった。
それを察したのかどうかは分らないが、二階だけで聞こえていた足音が、割とすぐ傍でも響くようになった。
今日は、居間にいる時に台所で物音がしたが、たまたま手元にカメラがあったので、何気なく撮影してみた。
すると、フラッシュ撮影だったのに、黒い影や煙が出ていた。
煙の中には複数の視線があるようだが、あまりはっきりしない。
画像だけ見ると、「気のせい」の範囲のようだが、私自身は「がたっ」と床が鳴る音を聞いている。
何とも消化不良だが、もはや禁を破ったことだし、今後は気になったら、すぐに撮影することにした。
近々にも、玄関先に動作感応式カメラかビデオを設置することにした。
目視は困難だと思うが、私自身は前にも現われたことのある人影ばかりだから、ほんの少しのシルエットでもそれと分かる。
ま、いずれは誰の眼にもはっきり見える画像が撮れるとは思う。
姿を現す者の大半が「助けて欲しい」「助けてくれる」と思っていることが分かったので、今は怖れのようなものは、まったく感じなくなった。
しかし、もし誰の眼にも分かるほど鮮明なら、やはり気色は悪いだろう。
「気のせいだから」という言い逃れが出来なくなってしまう。
ま、七割は妄想なのだが、どうにも「説明のつかない」ことが幾らか混じっている。