日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎小字手「降通」は適切か。

f:id:seiichiconan:20200322103517j:plain
f:id:seiichiconan:20200322102503j:plain
f:id:seiichiconan:20200322102452j:plain
寛永当四 密鋳 小字手 降通

◎小字手「降通」は適切か。(『古貨幣迷宮事件簿』出品物より)

 明日〆切の出品物の「小字手降通」について、若干の検証を加えた。

 「小字写し」ではなく、「小字手」としたのは、単なる鋳写しではなく、修正が加えられ、変化しているからだ。

 まずは地金色だが、南部系の赤金で、「仰宝銅鋳」に散見されるタイプに近似している。輪側は縦鑢のようで、密鋳銭としては少ない方だ。

 背波が崩れているが、こういうのは明和写しではなく、文政を基にしたものであることが多い。

 

 問題は面文だ。小字はどれも少し、通字が寶字より下がって見える傾向があるが、実際に下がっているのか。

 最後の画像が分かりよいが、通字は普通の「小字写し」よりも、現実に「下がっている」ようだ。寶字に加刀が見られ、足が通常より踏ん張っているので、余計にそう見えるのだろう。

 「小字手」という解釈で問題はなさそうだ。

 何百枚もあった密鋳銭から、これを別に取り置いた理由は、「ただの写しではない」ということだった。

 

 今月は「新型肺炎」の影響を鑑み、出品を制限した。今回の売り上げは暴々鶏個人に収め、何らかのかたちで「世間のお金を回す」方に還元しようと思う。

 今は、温泉に行くなり、商店で買い物をするなり、皆が融通し合う必要がある。