◎古貨幣迷宮事件簿 寛永当四銭 密鋳銭の青銅と黄銅
粗末なつくりの多い密鋳銭の中に、時々、地金色が黒変しにくいものがある。
「青銅」とは、要するに十円玉の色のことだ。十円貨と同じ変化を辿り、抹茶色になる筈だが、時々、当初の色を保ったものが散見される。
存在数は「割と少ない」方で、密鋳銭が百枚あれば、その中に四五枚くらいではなかろうか。
また「黄銅」とは、五円玉の金質のものだ。
こちらは五円貨の色辺とは違い、黒く変色していく。五円貨と違い、寛永銭は表面異凹凸が数多くあるから、腐食し易いためであろう。
これが黒く変じた品なら、密鋳銭の中では、見付けるのに、それほど苦労は要らない。
画像の左側ふたつは青銅銭、右側が黄銅銭だが、4)は文政写しで、表面の書体に変化が生じている。もはや「小字写し」ではなく、「小字手」の方が適切だろう。
小型化と共に文字が矮小化し、変化が生じているのが特徴である。
文政写しは大半が赤い地金のものばかりで、黄銅系は存在数が少ない。
注)このセットは四月分の出品物になる予定です。