日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎「お断りします」(505)

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令和二年六月一日撮影

◎「お断りします」(505)

 前回、変な感覚を覚えたので、少々考えさせられたが、「病気を治してくれる」というお誘いは断ることにした。

 この世でもあの世でも「タダのものはない」から、治療の成果ではないものを貰うと、後でツケを払うことになる。誘っているのが性質の悪いヤツだと分かっているので、ロクなことは無し。

 

 月曜なのに割と参拝客が多く、神殿前に人が少なくなるまで、暫く待たせられた。

 ようやく前後に数人だけになったので、拝礼の前後に数枚だけ撮影した。

 「私は『御堂さま』やトラのチームの一員なので、『黒い女』のお誘いはお断りします」

 『黒い女』は私が『スペードの女王』というニックネームで呼ぶヤツだ。

 コイツから「贈り物」を貰えば、後で返すのが大変だ。

 ひと言で言えば、「魂を売り渡す」のと変わりない。

 このまま癌になり、命を落としたにせよ、それは寿命だから致し方あるまい。

 大体、とっくの昔に私の寿命は終わっているような気がする。

 そのことが原因で、今のように想像や妄想に苛まれたり、本物の幽霊に肩を掴まれたりするわけで。

 

 送り付け詐欺みたいに、こういう時にうっかり宝くじでも買った日には、「当たり」を差し込まれてしまう。賄賂の先渡しと同じだから、こういう時には、当たらないように身を処す必要がある。普段の思考とは逆になるわけだ。

 まともに生きている人には信じられないだろうが、第六感の世界では、ちょっと信じられないようなことが時々起きる。もうかなり昔だが、夢で観たお告げに従って、教えられたとおりに馬券を買い、たぶん、「ひとが滅多に聞いたことの無い」当たり方をしたことが現実にある。

 でも、その後で払うツケが信じられぬほど厳しい。多少のお金を貰っても到底割に合わないものだ。お金自体、その後で払った方が多い。

 

 「もし癌なら抵抗力の無い今の俺はいくらも持たないだろうし、逆に筋膜種みたいな性質のものなら、祈祷や念力で治せると思う。だから手助けは必要なし」

 理屈は簡単だ。

 

 足を引きずり、休み休み歩いて車に戻り、そのまま帰宅した。

 車の座席のかたちは割とからだにやさしく出来ている。

 心は晴れ晴れしているが、この季節には、「声」が響かぬせいもある。

 これが秋冬になると、人気の無い場所でも、あちこちから「声」を掛けられてしまう。そういうのはさすがに気が滅入る。

 

 ま、この時期は想像や妄想の方が勝るし、錯覚も多い。

 総てが脳が生み出したまやかしなのかもしれぬが、それこそ最も望ましい事態だ。

 現実には何ら異変は無く、ただ想像(妄想)しているだけなら、こんな幸せなことは無い。