日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎病棟日誌 悲喜交々 やさぐれたオヤジの「▢死▢生」

病棟日誌 悲喜交々 やさぐれたオヤジの「生」
 火曜は眼科との併診。眼科があると、朝に病院に入って終わるのが三時台になる。
 当然、病棟を最後に出る患者になる。

 この日の穿刺担当はキム君。
 「ストレス解消を何かしているか」と口を向けると、「仲間と酒を飲んだり、軽い運動」とのこと。
 川崎生まれの育ちで、学生の頃の話を聞いた。
 キム君は日本生まれだから、在日と言っても別に日本人と変わりない。はっきりは言わずとも、何となく「割と子どもの頃から苦労をして来たな」と分かる。
 それなら、当方の憎む「半島系」とか「都市生活者」の括りから外すべきだな。

 「ボウリングでもストレス解消にはなるが、今はボウリング場自体が少なくなった」
 川崎に子どもでも行ける安いボウリング場があり、キム君も通った、とのこと。
 そこで学生時代に、ストレスが溜まると、下宿先の近くにあるボウリング場に一人で行った話をした。
 一人で十ゲームくらい黙々と投げる。
 一度スイッチが入ったことがあり、8フレまでストライクだった。「俺はどうかしちゃってるな」と思うほどだったが、9、10フレがスペアで、スコアは257だった。
 ああ、懐かしい。
 三鷹にはにっかつの撮影所があり、夜中にボウリング場に行くと、女優さんがギョーカイ人たちと一緒に投げていることがあった。
 確か狩野舞子さんみたいな名前の女優だったが、その日はつい前日に酒を飲んで家に帰りたくなくなり、三鷹駅前のロマン座でにっかつ映画を観たばかりだった。
 「あれあれ。昨日の女優さんだ」
 生身の女優さんは、画面で見るよりはるかに小柄だった。
 153㌢くらい。
 てな話をした。

 この日の病院めしは「チキンカツ」で基本ローテのひとつ。
 ミカンはきっちんと花輪上に並んでいたから、いつものヴェトナム人研修生に余裕があったらしい。
 ほんのちょっとした気遣いで、雰囲気がだいぶ変わる。
 二十歳かそこらのヴェトナム女性に生き方を教えられる。
 やさぐれたオヤジジジイの心を溶かすのは、こういう誠意だ。
 ヴェトナムはいいところなのに、その美しい国を出て「日本くんだり」まで頑張って生きている(涙)。

 エレベーターの出題は「▢死▢生」。
 これも複数あり、出題意図を量るのに考えさせられる。
 「九死一生」「半死半生」「一子七生」
 あれ、案外ないもんだな。
 ここは病院だから、たぶん、「起死回生」だと思ったら、やはりこれが出た。だんだんコツに慣れて来た。
 「俺なら半死半生や九死一生より先だな」と思ったが、さっき辞書を引くと、その先に「十死一生」があった。

 季節の変わり目で、何とも具合が悪い。
 寝ている時にやたら寝汗を掻き、トレーナーを脱ぎ捨てている。ちなみに、「循環器系の不調」の典型的な症状だから、これに覚えのある人は早めに検診を受けた方が良い。
 当方は既往症があるので、「別にフツー」だ。もはや今より良くはならない。

 

 当たり前だが、体調が芳しくないと、とかく攻撃的になる。

 すぐにカッとするので、なるべく外に出ずネットも開かなうようにしようと思う。