◎高齢者の危機の原因
昨日(水曜)には、「とにかくもう生きていたくない」と思うようになり閉口した。
「こんな体の状態で生きていることに何の意味がある」
「もう生きていたくない」
そんな考えばかりが頭を過ぎる。
直接の原因はともかく、ウエシマさんやワタナベさんも、たぶん、そんな気分になった。齢を取ると、とかく内省的になるからどんどん思いつめる。
だが、当方の場合、ここで最近の出来事を振り返る。
「そう言えば、こんな風に考えるようになったのは、眼の手術をしてからだ」
駅に行った。
駅のような人集まりには、あちこちに「良からぬ者」が立っている。生きている者の間にただぼおっと立っているのだが、気が付くと、当方は磁石のようにそいつらを引き連れている。
術後一週間目に検診を受けに行った時の足の重さと来たら、歩くのも容易ではないほどだった。
「なら、やたら死にたくなるのは俺自身の考えではないな」
当方の肩や背中に手を掛けている者たちが、耳元で囁いているということ。
常々、「駅には行かない」「電車には乗らない」と公言するのは、これが起きるからということによる。
どういう境遇、状況でも、そこで生じる喜怒哀楽は、「生きていてこそ」味わえる。
じっとしていても、どうせ程なくあの世には行くのだから、急いで自ら死を選ぶことはない。
今のように数が増えると、肩に掴まっている手を引き剥がすのは容易ではない。
正直、「いずれ負けてしまうかもしれん」と思った。
皮肉なことに、生きている女性にはもてたためしがないのに、既に死んでいる「元女」はやたら抱き付いて来る。
体感症状を知覚できるようになったのは、良かったのか事態を悪くしているのか。
今は画像の時の何倍か重いから、たぶん十五体くらいは後ろに従っていると思う。
CDスロットがやたら勝手に開閉するし、不通電話がプリプリ鳴る。
追記)木曜に病院から帰ると、立っているのがしんどくなったので、居間の床で寝袋に入った。そのまま眠りに落ちようとすると、耳元で女の声がする。
「わたしは※※で、※※※だから※※※。どうして※※※※」
夢の中の登場人物の声ではなく、外から聞こえて来る。音は明瞭だが、内容はよく分からない。
神殿の前に居る時に、私の前に立っていた女だ。
そこからそのまま私について来ていたのだった。
ひとまず慰めて、それで納得しないようなら、ご神刀で切り捨てるしかない。
ほとほとウンザリ。