日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第87夜 不倫 その9

三ヶ月が過ぎた頃、私は週の大半をその館で過ごすようになっていた。
クリニックの方は後輩の若手医師に任せ、自分はレイコの会社の1室をもらい、嘱託医として勤務するようになったのである。
しかし、会社の方は日に数時間だけ顔を出すだけで、あとは大半をレイコと共に過ごした。
その家の主人の病状に応じすぐさま処置できるように、と客間の1つを自分専用とし、夜もそこで過ごすようになった。
もちろん深夜にはレイコがそこにやってきて、褥を共にすることになる。

人影の方は相変わらずで、徐々に姿を明らかにするようになっていた。
廊下を歩くのは普通のことで、私とレイコとのセックスの途中、壁際に立って見ていたこともある。
その間、夫の体の方は2階のベッドに寝たままであるから、あるいは生霊の類であるのかもしれない。
人の気配には動じなくなっていたが、1度私の上のレイコの肩に、片手だけが載っていた時にはさすがに驚かされた。

死霊であれ生霊であれ、その存在を誰かが気づいてくれたとなると、現れ方がエスカレートするようになる。
それは、レイコが不在で、私独りが客室で寝ていたときのことだった。

(続く。内容を忘れないうちに書き留めないとと思いますが、今夜は既に時間切れです。)