日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第98夜 手すりがない

私が立っているのは、巨大ビルの外壁に付随しているエレベータの中でした。
ガラス張りですので、外の様子が全部見えます。
高速で上昇中で、街の景色が急速に遠ざかります。
「ここって、風景は池袋ににているなあ。いつもの夢の中なのだろうか」

ってことは、これからこのビルの中の1室にむかう途中だってことです。
ちょっと、憂鬱。
あの部屋って、出るんだよな。
もちろん、出るのはオバケ。これがしつこくてねえ。

部屋に入ると、中には十数人くらいの人がいます。
パーティでもやっているのかしら。
シャンパンを数杯飲んだら、気持ちよくなったので、少し涼みにベランダへ。
ベランダにも4、5人ほど人がいました。
手すりにもたれかかって、外界を眺めます。とはいえここは90階を越えているため、遠くのビル以外には少し下に灯りが見えるだけです。

キーコ、キーコ。
なにやら音がします。
音がするほうを見ると、3人ほどの男女が何かを取り巻くように見ています。
近寄ってみると、ベランダの手すりが、一部分だけ開いており、応急処置した金属パイプが外れそうになっていました。
音は金属のパイプが揺れる音。
「これって、危なくない?」
「酔って近寄ったら、落ちるかも」
「もし落ちたら、この高さじゃあ、誰だかわからないくらいになっちゃうよね」
「しばっておいたほうが良くない?」
縛ろうと言うわりには、誰も手をださないので、仕方なく私が金属パイプを結びます。
ロープでぎゅっと締めようとしたとき、急に強い地震が来ました。
「おお!」
前のめりに倒れそうになり、金属パイプを掴みます。ちょうどその時、私の背中に女性が倒れこみ、その勢いで押し出されてしまいました。
キーコ。
金属パイプに掴まったまま、空中にぶらさがってしまいました。
うへへへ。下は漆黒の闇です。背筋に悪寒が走ります。

しかし、体を少し振ると、金属パイプは意外と簡単にベランダに戻ってきました。
いやあ、びびったねえ。
このビルの夢はあまり良いものがなかったから、どうなるかと思った。
やっぱりこの部屋は嫌だよな。
なるべく、ここにはこないようにしよう。

ここで覚醒。