日刊早坂ノボル新聞

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小泉改革とは何か

小泉改革とは何だったのか

時事通信社配信ニュースより◆
 麻生太郎首相は10日夕、2005年の衆院選に関し「あの時『(郵政民営化関連法案に)4分社化(が盛り込まれていると)知ってましたか』と言われたら、知ってる人はほとんどいなかった」との認識を示した。さらに「国民が(争点と)感じていたのは、郵政民営化かそうでないかだけだった。(民営化の)内容を詳しく知っていた方はほとんどいなかった」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 首相は9日の衆院予算委員会で「あの時(衆院選)は民営化で問うた」として、自らが見直しに言及した4分社化は争点とはなっていなかったとの認識を表明。10日の発言は、これを補強する狙いからとみられるが、当時の有権者の政策理解に疑問を呈したものと言え、新たな波紋を呼びそうだ。

◆ひと口コメント◆
 要するに、麻生総理は「小泉改革では、郵政を民営化するか否か程度の決断しかやってませんでした」と評価したわけですね。「小泉元総理の政策提言がわかりやすいのは、イエス・ノーしか問わないからだ」というのは、当時から言われてきたことではあります。
 小泉氏は単純に、郵政を民営化するかしないかの議論を、「改革するのか、しないのか」という社会正義の議論にすり替えました。

 変化には、必ずプラスの効果とマイナスの効果の両側面がありますが、2005年にはマイナスの効果に関する議論が社会正義論で打ち消されてしまいました。
 小泉氏が二度と表舞台に出てこないのは、例えば「飛行機に乗るか、自動車に乗るか」の決断はしても、「目的地にどのように行くか」という方法論を持っていないからと考えられます。

 もうひとつ、麻生総理が言っている事は、「国民の大半はバカなので、政策の意味をまるでわかっていない」と麻生氏自身が認識しているということです。

◆補足◆
 ただし、小泉元総理が狙っていた郵政民営化の最大の目的は、「49%の株式の公開」だろうと考えられます。早く、その段階に到達しなければ、何のための民営化なのか全く意味をなさなくなります。
 小泉改革にとっては、郵便事業は二の次三の次で、あくまで「かんぽ」、「ゆうちょ」の資金の運用と、株式売却に伴う財政の強化が狙いだったということです。
 最もリスクの高いのはその段階で、巨大資本に旨味を持っていかれる可能性もあります。その意味では、昨今の「かんぽ」資産の売却問題は、利権食いを待ちきれなかった者によるフライングということになります。
 本番はこれからで、「金持ちだけが得をする」効果はこれからどんどん表面化することでしょう。

 これは、我々「小泉改革=ウソッパチ」論者が当初から言い続けてきたことで、なにを今さらという感があります。