昨夜、仮眠を取ったときの短い夢です。
バスに揺られていると、携帯電話が鳴りました。
周囲には乗客も見当たらないことだし、そのまま電話に出ます。
「もしもし。お母さんよ。今どこにいる?」
若い声で、40歳過ぎくらいの女の人です。現実の母親ではないよなあ。
「今はバスの中」
私はどうやら学生で、どこかに向かう途中らしい。
少しずつ記憶が蘇ってきます。
「ケンジ君。今、お友だちが来てるわよ。何時に帰るの?」
私の名前はケンジかあ。
「今日は友だちの通夜があるって言ったでしょ。帰りは夜だよ」
「ふうん。そうだっけ。じゃあ、お友だちには帰ってもらうわね」
「うん。誰が来てるの?」
「タカノ君。タカノヒロシ君」
「本当に?そいつはまずいな」
「どうして?」
「今からその人のお通夜に行くところだからさ。たぶん自分が死んだことを知らずに、家に来ちまったんだな」
「そっか。わかった」
母は平然と受け答えをしています。
私の方が困惑します。
「どうしよう」
アンタはもう死んでると説明するのは、結構難しい。
これに母は朗らかに答えます。
「急いで家に帰れって言うわよ。帰ればお通夜なんだし、そこで自分が死んだってわかるでしょ」
「そうだね。そうして」
ここで覚醒。
夢の中ではごく普通の会話でした。
夢の中の世界では、母も私も日常的にオバケを眼にしていた模様です。