日刊早坂ノボル新聞

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(大相撲)過去は水に流してやれば?

八百長事件は、最近起こった様々の不祥事とは違います。
大麻や賭博は明確な犯罪ですが、八百長の出発点は「手心を加える」ことなので、それ自体は悪ではない。
理由として、また結果として、「金銭の授受」が発生しているわけですが、「生きていくためには仕方が無かった」と言われると、これを細かく追及するのは酷なような気がします。
 
驚いたことに、大相撲で給料が貰えているのは、幕内、十両の一握りの人たちです。
月給百万が、次からゼロになるのでは確かにたまらない。
最低限の生活保障もしていないのに、力士たちに一方的な奉仕を強いるのは、果たしてどうか。
前にも書きましたが、相撲を国技だと言うなら、公務員として生活保障をしてやるべきですよ。無報酬で働かされる人間に、モラルだけ求めるのは、あまりに傲慢です。
 
なぜ、八百長事件が起こったか。
それは、歴史と伝統の上にあぐらを掻き、旧態依然のまま放置してきたから。
要するにシステムが古くなり、現状に合わなくなっているということです。
 
もし、見る側が真剣勝負を求めるなら、それに応じた報酬を与えるべきです。
役位(番付)と勝ち星に対応した給金制度に変えていかねば、力士のみなさんだってやっていられない。
下位の三段目だって、もし勝ったら、たとえ数千円でも報酬を払うべきです。
今のままでは、日本人は誰一人として、相撲取りになろうと思わなくなります。
 
八百長は、大相撲のしきたり自体が招いたもの。
なら、最初に変えるのは、そのしきたりです。
「どうすれば、八百長をせずに、勝負に取り組めるか」を優先的に考えなくてはなりません。
立証の困難な、不毛な犯人探しはもはややめて、まず先に制度改革を進めるべきだと感じます。